現在スペイン・バルセロナにあるサッカーチームでホペイロとして活動している、ほぺまゆ(@Jope_Mayu)です。
2年前まで日本で会社員として普通に働いていました。
そこから会社を辞めて単身スペインに渡り、自らの手でクラブチームを見つけ、現在の活動に至ります。
本記事ではわたしが日本人ホペイロとしてスペインに渡った経緯について寄稿させて頂きます。
《目次》
日本での生活を捨て、あてもなく単身スペインへ
2016年10月、わたしはスペイン・バルセロナの空港に降り立ちました。
大企業で働いていた不満のない日本での生活を全て捨てて、単身スペインへ。
知り合いもいない、スペイン語も英語も話せない、上手くいく保証なんて何もない状態。
持っていたのは根拠のない自信と周りの人の温かい応援だけでした。
やってみないとどうなるかなんてわからない!
出来ないって、やってもないのにどうしてわかるんだ!
そんな思いがわたしを突き動かしてくれました。
死ぬときになって後悔したくない、だからやってみるしかありませんでした。
最初に取り組んだ「語学」という壁
バルセロナに到着してからすぐ、ホームステイで生活を開始。
しかしスペイン語も英語も話せないわたしは、ちょっとした会話でも一苦労。
何度も聞き返したり、紙に書いてもらったり、ジェスチャーしたり……紙辞書を片手に一生懸命話しました。
ホストファミリーの方たちの優しさに触れるたび、簡単な会話さえできない自分が悔しくて泣いてしまうことも。
スペインのサッカークラブでお仕事をするには語学力が必要というのはもちろん、お仕事をさせてもらうための交渉にも語学力が必要です。
たとえ相手に良い印象を与えられても、話が通じないのでは意味がありません。
ましてホペイロは、選手やコーチ1人ひとりに合わせたサッカー環境を提供するお仕事。コミュニケーションができなければ、求められているものはわかりません。
スペイン語の習得は何をするにしても第一優先だと考え、最初の半年間は死にものぐるいで勉強しました。生活がかかっていることもあり、語学へのやる気というより追い込まれている状態でした。
この経験はスペインに渡ったからこそ得られたものです。スペイン語が出来るようになってから日本を出よう、という考えでは時間を消費するだけ。この半年間で得た語学力は、日本で1年間勉強するスペイン語力にはかなわないと思います。
泥臭く色んなサッカークラブに足を運びアプローチする
半年間の語学習得を終え、日常会話には困らなくなったあたりからサッカークラブへのアクションを始めました。
このチーム探しという部分。いろんな方法があると思います。
実際にスペインで選手や指導者をされている方は、誰かしらの紹介というケースがほとんど。現地の日本人サッカー関係者はつながっている場合が多いので、人づてにチームを紹介してもらうことも可能です。
ただわたしは1人でやってやる根性があったので、誰かに頼ることは考えていませんでした。ましてあてもない状態でやってきましたし、スペイン語習得に集中するため日本人との関わりを絶っており、日本人の知り合いもほとんどいませんでした。
そこで泥臭く各クラブに足を運び、入れてもらえないかと直接交渉する方法をとりました。
その理由は大きく分けて3つ。
①日本人女子というインパクト
②愛嬌の良さという武器
③スペイン人はメールなんて返してくれない
まず①はスペインのサッカークラブに日本人女子が訪ねてくるという、意外性を狙いました。このインパクトを相手に与えることで、わたしのことを印象づけさせることができると考えました。
②では自分の特徴を生かした戦法。自分は愛嬌がいいという武器を持っているので、これを生かすには直接話して自分のことを知ってもらうしかないと思いました。問い合わせメールの文面や、電話応答では全く伝わりません。
③はスペイン人の特性を考えたもの。スペイン人はあまり仕事をしない国民性とも言われています。
問い合わせメールに入ってきた、つたないスペイン語での外国人からのメール。果たして丁寧に返信をくれるでしょうか。。メールを見てよほど印象に残らなければ、次の日になると忘れられてしまうのは目に見えています。
直接お話に行って、「今考えてくれ!時間が必要なら明日また来るから!」というくらいの勢いがなければ、スペイン人はちゃんと考えてくれません。
上記の理由でさまざまなチームへ直接交渉に行ってみたところ、わたしの場合は運よく1週間程度でクラブに入れてもらえることになりました。
そしてクラブで献身的なサポートをしていると次第にチーム関係者の人が認めてくれ、今シーズンはスペインのユーストップリーグのチームに帯同することができました。
行動力と思いきりのよさが新たな道をもたらしてくれる
ここまでに至った経緯について振り返ると、わたしは出逢う人や出来事など色んな運にめぐまれたなと感じます。自分のチカラだけでは全く到達することなんてできませんでした。
ただこういった結果に至るきっかけとなったもの、それは行動力と思いきりのよさだと思っています。
日本での生活を思いきって捨て、異国の地へ飛び込んでみる。がむしゃらにチームに飛び込んで交渉してみる。こういった動きが運を引き寄せてくれ、チームに帯同するまでに至ったのかなと。
求めなければチャンスはやってきません。待っていても勝手にチャンスは来てくれません。今この記事を読んでくださったあなたも、夢や目標に向かって一歩前進するきっかけになれば嬉しいです。
ライタープロフィール