レアル・マドリードに電撃移籍を果たした久保建英選手。
連日メディアがレアルでの久保くんを取り上げているのを見て、流石にやりすぎだと感じていた。
日本の期待の星だけれど、まだ試合でプレーしていないじゃないか。練習で良いところだけ取り上げられているのではないか?と。
久保建英、魅せる存在感👀✨ pic.twitter.com/y7GuvUKRaF
— 円堂守 (@07endou) 2019年7月20日
レアルのトップチームに帯同してるというのはすごいことだけれど、まだ試合で何も結果を出していない。この弱肉強食の世界、何人もの若者がレアルやバルサに来ては、通用せずにあっという間に放出されてきたのを見てきた。
だからこそ、試合でプレーする前に過剰に報道しすぎるのはあまりよろしくないのではと。そんなことを考えながら、アメリカツアーのバイエルンミュンヘン戦で久保選手のデビューを観ました。
世界最高峰のレベルでプレーできるということ
レアル久保のタッチ集。すごく上手いです。
— JEC (@jecfootball7) 2019年7月21日
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観ていて驚いたのは、久保選手が世界的なスターたちと見事に調和していたこと。
Jリーグより数段高いインテンシティ、そしてプレースピードの中で"普通"にプレーできるというのは尋常じゃないこと。
日本でもボールとともに移動する技術レベルの高さは群を抜いていたけれど、数週間レアルのトップチームでトレーニングしただけで、ここまで順応できてしまうとは思わなかった。サッカーってプレー強度、プレースピードが速くなるだけで全然違う。
高速で移動しながら、なおかつ相手のプレスを受けながらボールを受けたり運んだりというのは、恐ろしく難しい。
それを踏まえて、久保くんのバイエルン戦のプレーは想像を超えてすごかったなと。
"久保くん"はもう"世界の久保"になったんだと思いました。
ジダン「ずっと前からこのチームにいるかのよう…」
💬 #ジダン 監督が記者会見で久保について言及:「若い選手だけど、ずっと前からこのチームにいるかのようだ」#RealMadridIsHere #RMTour #久保建英 pic.twitter.com/NG3p8wWbZJ
— レアル・マドリード C.F.🇯🇵 (@realmadridjapan) 2019年7月20日
ジダンのこの言葉を聞いて、私は久保建英に感じていた違和感がクリアになった。
日本でプレーしていた時、彼の立ち振る舞いを観ていて、彼のメンタリティは日本人ではないと感じていました。
小さい頃からバルセロナで生活し、長い間スペインでサッカーをしていた影響は大きかったのだと思う。
彼は常に世界トップレベルを基準にプレーし、生活していたということ。
スペイン現地メディアに、「スペイン人よりスペイン語が上手い」などといじられていたけれど、何年もスペイン語を使わない生活をしているのにネイティブ並みの語学力を維持できるわけがない。
いつか来るチャンスに彼は備えていた。
プレーの面でも、J3でプレーしていた時、J1のマリノスでプレーしていた時は苦しんでいるようにさえ見えた。FC東京でも最初からあのパフォーマンスができたわけではなかった。スキマでどう受けるか、どう持ち運ぶかを常に試行錯誤しながらチャレンジしていたし、ミスに対しては感情的にリアクションをしていた。
周囲の日本人選手とはその点で明らかに違った。
時間が経つにつれて、J1でも頭抜けた存在になっていった。
恐らく久保選手は、プレー強度とスピードに慣れれば通用する前提でこれまで積み重ねてきたのだと思う。
サッカーの本質を彼は早くからキャッチアップしていたからこそ、磨くべきはなんなのかを早くから理解することができたのではないかと思いました。
世界基準を知り、そこを目指してトレーニングし、プレーすること。
これがレアル基準のプレーができる理由なのだと思う。
とはいえ、タレント豊富なレアルで定位置を確保するのは困難を極めるだろう。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…