大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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ザスパクサツ群馬・大前元紀のFKに見る、触らなくても入るFKの理屈とは?

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J2リーグ第19節、栃木VS群馬の一戦で大前元紀が直接FKを決めた。

 

だがこの直接FK、いわゆる華麗なシュートではない。

 

このゴールは

「触っても触らなくても入る」

と言われる少し特殊なFKによるものだ。

 

かつては小笠原が得意としたこともあり、Jリーグでは見かける機会も意外と少なくない。

 

そこで今回はこのゴールを通して、なぜこのFKが驚異なのかを解説したいと思う。

 

実際のゴール映像

 

まずは映像からご覧頂こう。

 

  

GKの脳内を考える

 

考えたいのは、対峙するGKだ。

なぜこのボールをセーブできないのか、という理由。

 

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キックの瞬間、GKはファーポストに寄っている。

このポジショニングからファーにゴールが決まるとは思えないような立ち位置だ。

 

 

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入る直前もこちら。

ボールとGKは近いように見える、が体は良い反応を出来ているとは言いがたい。

 

なぜこの状況でも、GKはセービングが遅れてしまうのか。

 

 

GKは二択を迫られている

 

このボール、実はギリギリまでGKは動くことが出来ないのである。

 

もし早めにボールに対してセービングに行った場合を考えてみよう。

中の攻撃陣が少しでもボールに触れてコースを変えた瞬間に、ニアサイドはがら空きになってしまう。

 

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もちろんシュートを予測して逆にニアに動けば直接入ってしまう可能性が高まる。

 

つまりボールの軌道自体は把握出来ていても、行動に移すことが許されない状態を作り出すのがこのFKの軌道なのだ。

 

 

どう対処するべきだったのか

 

ではこのFK、無敵じゃないか。みんなやればいいじゃないか。

そう思うかもしれない。だがこの行動を許さない状態を作り出すのは簡単ではない。

 

一番必要なことは、「触られるかもしれない」とGKに思わせることだ。

実際、触ってしまえばゴールの可能性は高いわけで、正確な表現をすれば

「触っても触らなくてもいいボールに全力で触りに行く」

ということになる。

実際このシーンでは群馬の選手の多くが栃木DF陣の裏を取る事に成功している。

DFよりも攻撃陣のほうがボールに近い状態で、シュートを警戒しないということはあり得ない。つまり、中にいる選手たちが裏を取ることでこのゴールへ繋がったとも表現できる。

 

そして同じぐらい重要なのがボールの質。

この点において大前のキックは文句なしだった。

ボールのスピードが遅すぎてはセービングが間に合う。早くても高く浮いてしまっては触れないし枠にも飛ばない。

このキックはスピードを持ちつつ曲がって少し落ちている。

そのボールの質のおかげで群馬の選手は裏を取れたし栃木のDFは前で跳ね返すことが出来なかった。おまけにそのスピードで枠内に飛んでくるのだ。GKを責めることは出来ない。

 

 

動かない、動けない、その脳内

 

このように一見止められそうなシュートが止められない時、何が起きているかを考えることは非常に面白い。

サッカーを見ているときに、ちょっとでも疑問が出たら巻き戻して見るという癖が筆者にはある。すべてのプレーの原因を知りたいという病的な欲求があるからだ。

参考にしろ、とまでは言わないがこれもサッカーの楽しみ方の一つであることは自身をもって提案したい。

また現役でプレーする選手にはぜひこの手法を取り入れてほしいと思う。

上手いなあ、で終わるのか理由を突き止めに行くのか。成長のスピードに差が出る可能性は大きい。

 

 

筆者ブログの紹介 

筆者:山田有宇太 (@Grappler_yamayu) | Twitter

筆者はこのように、プレーを言語化する取り組みを現役時代から継続して行ってきた。

その一つの集大成として、中高生に向けたブログ

 

「読むサッカーの上達サイト~中学生、高校生へ向けて~」

 

reading-football.work

 

というサイトを運営している。

 

 

中高生に限らず、

 

・もっとサッカーを楽しみたい

・サッカーを深く知りたい

・選手がどんなことを考えているのか知りたい

・指導の参考にしたい

 

といった様々な方のご参考にもなればと思う。

 

もし興味があれば、こちらも覗いていただければ幸いだ。