5月3日から6日にかけて駒沢オリンピック公園総合運動場にて行われた、2017東京国際ユース(U-14)サッカー大会を観に行ってきました。
観戦した試合は以下の通り
①ボカジュニアーズ(アルゼンチン) ー 茨城県選抜
②ベルリン(ドイツ) ー 東京ヴェルディ
④ボカジュニアーズ(アルゼンチン) ー パリFC(フランス)
⑥ボカジュニアーズ(アルゼンチン) ー FC東京
※当記事は5/3の①〜③の試合のレポートになります。
毎度のことだけれど、ボカジュニアーズとコリンチャンスに注目している。日本にとって学ぶべきことが多いチームだからだ。特にボカは育成年代でも世界トップレベルと言って良いだろう。そしてベルリン(ドイツ)、パリFC(フランス)もヨーロッパのサッカー先進国のクラブであり、チェックしておきたい。そんな相手に日本のクラブがどのような戦いができるのか、とても興味深い大会なのです。
勝利への圧倒的な執念
ボカジュニアーズ(アルゼンチン) ー 茨城県選抜
茨城選抜 対 ボカ
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
序盤は茨城の勢いに受け身になるボカだったのだけれど、徐々にボカが押し込み始める。
そして、ゴール前泥臭く押し込みボカ先制
局面の勝負強さ。
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
これが上手さになるんだけど、そういう見方ができる人は少ない
ボールへの執着心
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
ゴールへの想いの差が如実
球際なんだよな、やっぱり。
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
泥臭さ、粘り強さ、気持ちの強さ、少しづつスキマができて、それが大きな差になる。
ボカが3-0
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
茨城県選抜は序盤から積極的にプレッシャーをかけてボカのやりたいようにやらせないという気迫が伝わってきた。そのおかげでボカは早々に火がつき、戦闘モードに入ったように思う。茨城の子達も局面での駆け引きで、ボカの中盤を苦労させる場面があった。
しかし、戦闘モードに入ったボカはあらゆる局面で凄まじい強さを発揮する。球際の強さ、巧さ、エグさ。ピッチでは茨城県選抜の存在感はなくなりボカの圧倒的な狩が繰り広げられる。なりふり構わず前へ、ゴールへとボールを運ぶ。茨城は局面の競合い、戦闘で勝つことができない。野生的な強さ、激しさの前になす術がない。
巧さとかそういうことではなく、勝利への圧倒的な貪欲さを感じた。
試合が終わった時には3点差がついていた。
小さくても闘える選手たち
ベルリン(ドイツ) ー 東京ヴェルディ
次はベルリン対ヴェルディ
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
ベルリンはディフェンスラインに長身でフィジカルに優れ、推進力のある選手が数名いて、中盤から前はドイツらしからぬ小さい選手ばかり。フィジカルではなく技術やセンス、強いメンタルを有している子たちの “ノビシロ” を重視してのセレクトなのだろう。みんな小さいけれど感覚的で野生的で南米的な巧さがあって面白かった。
対するヴェルディは皆、サイズも技術も平均的というか、これといって特徴がない印象。ボールを持ってもリスクを犯さずに空いてるスペースへ早く運んで綺麗に崩したい意図なのだけれど、先がわかるプレーの連続で意外性も駆け引きもなく昔のヴェルディはどこへいってしまったのか…という感じ。
結果は1対1で同点だったけれど、ベルリンのサッカーの方がノビシロを感じることができたし、やってることも面白かった。小さくても戦える選手たちが私の目を引いた。
自然体、ゾーンに入るということ
コリンチャンス 対 ヴェルディ
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
序盤はヴェルディペース
コリンチャンスは緩くスタート
コリンチャンス力抜き過ぎて、ディフェンスルーズなのに、なんとなくやれちゃってる。ヴェルディが一点決めれば火がつくんだけどな
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
意外な展開だった。コリンチャンスが圧倒するものと思っていたが、ふわふわとした立ち上がりで中盤から前線のプレスが緩く、ヴェルディが良いようにボールを回し、走らされ疲弊するコリンチャンスといった序盤。コリンチャンスはボールを持っても、イージーミスが目立ち攻撃にならない。前半はほぼヴェルディが一方的に攻め込む展開が続くのだが、決定機になる前に潰されてゴールが遠い。これだけ緩くやっていても、ヤバそうなところはバチっと潰せる危機察知能力は野生の本能なのだろうか。守備陣形が崩れていようと、数的不利であろうとしっかり潰せるというところは日本に不足している要素だ。
後半が始まる…
コリンチャンスはスイッチがいつまでも入らないもんだからコーチがキレだした。
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
でも前向いてボール持った時は強い。このままでもヴェルディは厳しい。
コリンチャンスよりヴェルディの方がチームとしての完成度は高いように見える。そしてヴェルディにとってコリンチャンスは相性が良い。個々の力はコリンチャンスが上だけれど、ヴェルディにもチャンスがある。
— KEI 粘り勝つ2017 (@Keivivito) 2017年5月3日
ちょっと本気を出し始めたコリンチャンスは結構ラフな攻め方で強引に前線へボールを運ぶと、少しづつヴェルディゴールへと迫っていく。
photo by kenji onose
コリンチャンスの選手がゴールにせまるシーンを捉えた写真。舌を出してプレーしているのがわかる。これは余計な力が入っていないゾーンの状態に入っていることを意味している(個人的な解釈)。何度かこういう選手を見てきたけれど、日本ではごく稀で、感覚的、直感的にプレーする選手がゾーンに入ると舌を出してプレーする。
この選手は野生的にゴールを狙い。何度もヴェルディゴールを脅かした。
しかし、結果は0−0の同点。
コリンチャンスは個々は面白いけど、チームとして機能していない印象だった。
試合を終え、コリンチャンスの控え室に行ってみた。
コーチに中へ入って撮影して良いか聞いてみたら「もちろんOKさ!」ということで選手たちの試合後の様子をお楽しみください。
photo by kenji onose
サッカーはもっと野生的にプレーして良い
ボカジュニアーズ、コリンチャンス、ベルリンのサッカーを見ていると、日本の子供たちに欠けているのは野生感だ。上手いだけの選手はピッチで戦うことはできない。絶対に負けたくない。負けるわけにはいかないんだという強い気持ち。それを表現すること。感情を表現すること。これが日本には欠けている。それは野生の本能的なものであるように思う。
綺麗にプレーしようとしすぎている。上手くやろうとしすぎている。
もっと感情的に、泥臭く、なりふり構わずプレーすることができないと世界では通用しない。そんなことを感じた大会初日。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…