リバプールの伝説スティーブン・ジェラード。
彼はいま、指導者としてのキャリアを歩んでいる。
指導者であるジェラードのインタビュー記事をご紹介したい。
とても人間力を感じさせる内容です。
信頼を得るということ
「生徒は、最初は私を選手のように見ていたと思うね。プレシーズンでは、彼らはシャイで静かだったよ。ただ、今朝の彼らを見れば、もうそんな状況ではないことは分かるだろう。彼らは今快適に過ごしており、私がコーチとして真剣に取り組んでいることも気づいてくれた。信頼を得る必要があったんだ。私が正しい仕事の倫理を持っていることを、彼らに示さなければならなかった。いつも確固たる基礎の上にいなければいけない。個々の選手にも、集合的にも、改善するための時間を与えなければならない。それが最も重要なポイントだった」
選手を壊すことはあまりにも簡単だということを指導者は知る必要がある
「選手たちの前に立って怒鳴り、貶そうとするか?いいや、私はそんなことはしないよ。チームがいいプレーをしていなくても?もちろん。誰も貶さない。ティーカップを投げたりもしない。私は気づいているからだ。選手を壊すことは、あまりにも簡単にできるのだと。それは自分の道から学んできた。叫ぶべきでないときに叫んだこともある。審判に言うべきでないことを言ったこともある。仲間にぶつけるべきでない言葉をぶつけたこともある。ミスを犯してきた。重荷を作り出してきたからね」
静岡学園の井田監督の偉大さがよくわかる記事。
いったい、こいつらどれだけ走らないんだ
多彩なテクニックを駆使してボールを運ぶ静岡学園に、多くの選手たちが目を見張った。夏のインターハイを制していた帝京のゲームメーカーだった宮内聡も、足裏でボールを扱うテクニックなどとともに「いったい、こいつらどれだけ走らないんだ!」と驚きの声を挙げたという。 決勝戦は序盤から浦和南が飛ばしてゴールを重ねた。浦和南を率いる松本暁司監督は、選手たちに指示した。「いくらなんでも相手は遅すぎる。スピードで圧倒してしまうんだ」 その通り、早々と3点を先行。初めての大観衆で過緊張の静岡学園は、ようやく1点を返して前半を折り返した。
「蹴るな、走るな、歩け!」
だが、後半も浦和南が追加点を奪う。ここでテクニカルエリアに出てきた静岡学園の井田監督は、ピッチに向けて大声を張り上げた。「蹴るな、走るな、歩け!」 ここから静岡学園が本来のプレーを取り戻し、試合は終盤にかけて緊迫の度合いを増す。結局浦和南が5-4で制したが、静岡学園が提示したゆっくりとテクニカルに支配していくスタイルは、格好の議論のテーマを提供した。「急いで走ればミスが出る。だから、あの指示を出した」
井田監督は説明した。ちなみに数年後には、フラメンゴの一員として来日したジーコが「日本代表はもっとスピードを落としても正確にプレーすることが大切だ」とアドバイスを送っている。 もちろん、静岡学園も時代の変化とともに様々なスピードを加え、磨きをかけていった。だが技術を大切にして、丁寧に崩す原点は変わらず、多くの名手を輩出し、ファンの共感も呼んだ。その後もテクニックをベースに戦うのは、日本サッカーの特徴としても定着した。
「蹴るな、走るな、歩け!」 高校サッカー異端の名将、王国に憧れ極めた個人技スタイル | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト
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引退なんて言葉をそんなに若い子たちに使わせる意味がわかりません。
人生はつづく…
指導者までもが進学直前になると『引退』扱いにしてしまう
「学校スポーツの弊害だと思うのです。例えば興国にジュニア、ジュニアユース、ユースがあったとしたら、12月に6年生の試合が終わって、4月まで何にもなくてジュニアユースに受け入れることはありませんよね。6月にインターハイ予選が終わったら、11月に選手権予選があることと、12月に小学生の大会が終わって、4月に中学の大会が始まることと同じだと思います。継続なんです。
しかし日本は進学とともに強制的にチームを替わらざるを得ない文化なのです。だから、ジュニアでドリブルだけしか指導しないようなクラブが成立してしまいます。一貫指導なら上のカテゴリーから『これだけはやっといてくれへんと』という情報が、半強制的にジュニアに下りてくるはずなんです。
テクニックのあることは悪くはではないのですが、今の日本は上のカテゴリーとの意思疎通がないので、【A】というジュニアのチームからすれば『【B】ジュニアユースにいったけど、育ててくれなかった』と、そっちのせいにばかりすることになってしまうんです。 ジュニアユースでプレーする上での問題点を考えずに、小学校のその時点だけのことしか見えてないのが現実ですね」
選手がうまくなるための環境を整えることが指導者の義務である
興国の取り組みは世界の基準で考えれば特別なものではない。むしろ当たり前。それだけに高校だけにとどまらず、小中でも同じ考え方で選手を育てることは充分に可能なはずだ。指導者が選手を『引退』扱いせず、自由に練習参加させ、同時に指導することが重要になる。更にそこには上のカテゴリーとの情報交換も必要になってくる。
内野監督は「《興国》からはいい選手が出てくる、といわれることがチームの一番評価」と話すが、《 》の部分を自分のチームに置き換えても同じことがいえると指導者が考えれば、選手への対応は変わってくるのではないだろうか。まして本来アマチュアスポーツに引退はないのだから、上手くなりたい選手にその環境を与えるのは指導者の義務である。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…