日本サッカーを変えたい、教育の在り方を変えたい!
そう熱く語るのはファーダンサッカースクールの代表を務める上船利徳さん。
今夏、都内某所にてお話を伺いました。
その時の写真がこちら↓
圧倒的な行動力と情熱を持った男
上船利徳を一言で表すと、こんな印象だ。
日本サッカーを変えたい、教育の在り方を変えたい!と口にするのは簡単だけれど、それをどのように行動に繋げるかというのはとても難しい。
しかし、上船氏は圧倒的な熱量を持って行動に繋げてしまう。
そんな上船氏の経歴をまずは紹介しておきたい。
神奈川で生まれ育ち、中学卒業後は鹿児島のサッカー強豪校である神村学園へ進学。全国高校サッカー選手権にも出場し、精度の高いキックを武器にボランチで活躍。その後、東京国際大学に進み、県リーグから関東1部リーグへ昇格に貢献。
そして「プロサッカー選手になるなら海外の強豪国でやりたい」という強い気持ちを持ってドイツへ。
ヨーロッパリーグにも出場経験があるKFC UERDINGENとプロ契約。
しかし膝の怪我で引退を余儀なくされ、指導者の道へと進むことを決意。
ドイツの「常に試合を意識したトレーニング」や「トレーニングの空気を作るうまさ」を日本に広めたいと思い、帰国後は明治大学体育会サッカー部のコーチングスタッフを経験し、自身が立ち上げ・経営する計5校の「ファーダンサッカースクール」には約200名の小学生が所属している。
2019年4月にはサッカーエリートを育成することを目的に神村学園淡路島学習センターを立ち上げる等、活動は多岐に渡る。
日本サッカーの育成指導に感じた疑問
ーまず、ファーダンサッカースクールを立ち上げられた理由についてお伺いしたいです。
ドイツから帰ってきてからファーダンサッカースクールを立ち上げたのですが、日本の育成年代の指導に疑問を感じて、これは変えないといけないと思ったのがきっかけですね。
日本では指導者が子ども達のミスをよく怒鳴りますが、それだけで終わってしまうんです。
そんなことは指導者じゃなくてもできるわけです。
もっとちゃんとそれぞれの子ども達に合わせて必要なコーチングをしないといけないのに、それができている指導者が少ないと感じました。
日本サッカーを変えるには、大人が変わらないといけません。
そのために自分自身も成長し続けて、子ども達にとって常に良い指導者でありたいと思っています。
ファーダンサッカースクールは上手くなりたい子だけが対象です。
Jクラブのスクールは普及が目的ですが、ファーダンサッカースクールはより競技志向です。
本気で上手くなってもらう必要があるので、僕たちも本気で向き合います。
習い事としてやって欲しくないので、子ども達や親御さんには「コーチ陣がサッカーを上手く指導できていないと感じるのであれば言って欲しい」と伝えています。
サッカーを通じて、自分の頭で考えて行動を起こせる人間力を育む
ー神村学園淡路島センター設立の経緯を教えてください
そもそも学校の在り方を変えたいなと思っています。
世界には高校生年代でトップクラブで活躍する選手がたくさんいます。
つまり、若くしてトップで戦える環境ができているんです。
しかし、日本では高校3年間でプロサッカー選手になるための準備をするのは非常に難しいですし、非効率です。
その環境を変えたいと思っています。
ーなるほど。どんな環境を作るのでしょうか。
通信制の高校になるんですが、なぜ通信制にするかというと、 自分にとって必要なことを効率よく学べる環境を提供したいということです。
個々が主体的に学習時間を選択し、教師のサポートを受けながら進めていくことができる環境を作ります。
もちろん世界で活躍できるサッカー選手を輩出していくことが一番の目標ですが、全員が必ずプロになれるわけではないですし、プロになってもプレーできる時間は限られてます。人生は決してサッカーだけではありません。だからこそ自分の頭で考えて行動を起こせる人間力を育んでいきたいんです。
現状に満足せず、常にもっと成長できないか日々考え行動する事が、プロで活躍し続けるためには必要な事です。
これは、プロを引退してからもどんな分野でも必要な事です。
だからこそ、神村学園淡路島に入学した生徒は将来、世で活躍する大人になる事を確信しています。
サッカーに関しては高校レベルでは恐らく日本一の環境です。
トレーニング環境は、2002年日韓ワールドカップの際にイングランド代表が拠点にした淡路佐野運動公園です。天然芝2面、人工芝1面という最高のピッチを使用することができます。
一人ひとりとしっかり向き合うため、生徒数は 15名(初年度のみ、特例22名)の少人数。
ドイツ人に監督をやってもらいます。
育成アドバイザーはゲルトエンゲルス氏です。
浦和レッズやジェフ千葉、京都サンガの監督を歴任した日本を良く知るドイツ人で、現在はヴィッセル神戸のヘッドコーチをしています。
そのゲルトお墨付きの指導者に監督をやってもらいます。
サッカーを通じて、生き方を伝えたい
僕自身、神村学園に行くまでは本当に全然だったんです。
でも、環境が自分を変えてくれたんです。
サッカーが上手い仲間と切磋琢磨することで自分が変わりました。
東京国際大学でもそうですし、ドイツでも同じです。
いろんな仲間、コーチとの出会いが自分を高めてくれた。
自分が選んで決めたことをやりきる経験が自分を高めてくれたんです。
人間が成長するために重要なのは「マインド」と「環境」だと思います。
それを作っていきたい。
まずは気持ちを育むことが大切だと思ってます。
そして強い気持ちが成功を導くということを知ってもらいたい。
自分自身の可能性に気づいて欲しいと思ってます。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…