元プロ陸上選手の為末大さんのインタビューがとても面白かったので、一部引用しながらご紹介させていただきたい。
スポーツを楽しむための本質、成長するために必要な考え方を為末さんが話されています。現役の指導者は必見です。
動画はこちら↓
下記インタビューより抜粋して引用させていただきました↓
スポーツを楽しむための考え方・人間の本質
報酬をどこに置くかっていうことだと思うんですね。
いわゆるスポーツ界の典型的な努力っていうのは、今苦しい思いをして、でも未来にわたってそれを続けていけば、あるところで勝利や、なんらかの報酬があるので、支払いをしておいて未来でそれを取り返すという考え方なんです。一方で、楽しむとか娯楽化するというのは、それをしている瞬間そのものが報酬化しているということだと思うんですね。
どちらも重要な概念だと思うんですが、楽しいことだけやろうというのでは継続した努力は難しくなるし、一方で頑張って報酬を得るっていうモデルっていうのが破綻する局面が出てきて、例えば10年かけて自己ベストを目指すって頂点の世界になると努力しかなくて報酬がほとんどなくなるとプツッと切れる選手が多い。だからこれをうまく混ぜることが重要だと思っていて、努力していつか報酬を得る一方でこれをやってる瞬間そのものが楽しいというのを感じさせるのが大事。
ここまでやったのに何にも返ってこないなんて、やってられないよとならないように、自分にギブアップさせないようにやらないといけない。そうすることによって継続的なトレーニングに繋がって、得られる結果も大きくなる。
結局のところ、自分が働きかけたことによって変化が起きるということに対して、人間は楽しみを見出しやすい生き物だというのが僕の結論だったんです。
スポーツのトレーニングの何が退屈かって、英語の勉強とかもそうなんですけど、1日1時間やってみたんだけど、全然フィードバックがないわけです。変化が起きてないので、それがだんだん耐えきれなくなる。ちゃんと毎日小さな実験をして、それによって何か変化が起きて、こうするとこうなるんだっていうことを、自分の中でうまく組み込んでいくっていうのが、大切だと思っていて、例えば一週間全くおんなじ練習なんだけど、今日は腕振りを大きくしてみる。次の日はちょっとかかとを上げて走ってみるとか、いろんな変化をつけて、結果どうだったんだろうというフィードバックを受けて、良かった、悪かったを判断して、じゃあ明日はこうしてみよう、というのを回す。簡単にいうと試行錯誤の連続で一週間経ってしまったのか、それとも決められた1日50本という練習を淡々とこなした結果、一週間経ったのかで、全然精神的疲労度が違うんですよね。
だからちゃんと自分なりに、次の今からやることは、今までと違う何かをやろうとしているかということは、楽しみを見出す上で、重要なことかなと思います。
苦しみを乗り越えた先にしか成功はないって、何度も大人たちに刷り込まれてきましたが、こういう考えはもう古いのかもしれません。
為末さんはより本質的な話をしてくれました。
これからの指導者に求められることが散りばめられていると思いました。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…