アトレティコ・マドリードの闘将、ディエゴ・シメオネの著書に中盤の見本としてバルサのセルヒオ・ブスケツの名前が出てきた。
シメオネはあまりメディアなどで他のチームの選手を賞賛することは少ない。
セルヒオ・ブスケツについてこのように語った。
MFについてはお手本としてバルセロナのセルヒオ・ブスケツを挙げたい。素晴らしい中盤で天才だ。チームが必要とするプレーをし、だが同時にチームが彼を偉大な選手にしている。自己顕示欲を抑えられるというのは才能だ。
セルヒオ・ブスケツは中盤の底からゲームをクリエイトする
シメオネが天才というほどの圧倒的な才能の持主、セルヒオ・ブスケツのプレーを見てみよう。
セルヒオ・ブスケツの体の線は細い。
しかしながら彼のプレーは知的でエレガントだ。
美しいボールさばき、センス溢れる駆け引き、ディフェンスの巧さ、どれをとっても世界トップレベル。そのプレーの源泉は彼のメンタルにあるのだと思う。
シメオネが彼を賞賛している理由はそこにある。上手いだけではなく、戦える戦士であるということ。
狡猾に相手を追い込みボールを奪う
ボールを奪う時、いつもブスケツはアグレッシブにボールを奪いに行く。決してリトリートしない。相手に余裕を与えないディフェンスを常に徹底しているように見える。
圧倒的な守備センス
相手の懐に足を入れる。これができる選手は稀だ。
身体をぶつけてフィジカル任せにボールをもぎ取ることができる選手はたくさんいるけれど、それは決して上手い守備ではない。相手の間合いに侵入し、身体を滑り込ませることができる選手がセルヒオ・ブスケツであり一流のボランチと呼ばれる所以である。
相手を感じる力
セルヒオ・ブスケツは身体を上手く使ってボールをコントロールする。その為には、常に相手がどこからどのように迫ってくるかを予測し、準備をしているのだ。ボールをいかに相手に晒すか、いかに相手に隠すか、その球際の感覚が研ぎ澄まされている。
なにを考えているか相手にわからせないテクニック
セルヒオ・ブスケツはまるで闘牛士のようにピッチでプレーする。迫りくる相手をヒラリ、ヒラリとかわすその姿はマタドールを想起させる。
相手にプレーの先を読ませない。パスをするのか、ドリブルするのかいつもわからないようにしている。なんでもできるようにしておくこと、どこにでもいけるようにしておくこと、その為にいつもボールは自分のど真ん中にコントロールしている。
セルヒオ・ブスケツが天才MFと呼ばれる理由
サッカーを熟知しているということ。
それは頭で知っているということではなく、身体が知っているということ。
ピッチでなにが起こりうるかということが、よくわかっていて、どのように対処すれば良いのか身体が知っているのだ。
どうやってボールを奪い、パスを出し、ドリブルし、ゴールするか。
その絵を描くのが上手いということ。そのイメージを共有し、ピッチで具現化していくのがセルヒオ・ブスケツだ。
サッカーの本質を追求する旅は続く…