子どもの成長に携わる方の多くは、日々どんなアプローチが子どもたちの成長に繋がるのか模索していると思います。
教育においては、このアプローチが正しいという正解はありません。
大人と子どもの相性によって関係性は変わるからです。
人間はそれぞれ多様なライフスタイルを持っています。趣味趣向も多様です。大人も子どもも関係ありません。その多様性を前提に教育も考えていく必要があると思います。
日本という国は、これまで全体主義的な教育が行われてきました。今も多くの学校でそれは変わらないでしょう。しかし、情報が溢れ、多様化が進む社会において求められるのは、より寛容でフレキシブルな教育です。
全体主義的な教育で生産性が高かった時代において、個性はないがしろにされてきました。しかし、これからの時代は個性を引き出し、活かしながら全体がポジティブに作用するような設計を社会が作らなければなりません。教育もそんな社会を想定して変わる必要があるのだと思います。
今回ご紹介するのは、これから社会に出る子どもたちに、どんな教育が必要なのか、どのようなアプローチが求めらるのかを学ぶことができる10冊の本です。
ぜひ、参考にしていただければと思います。
【目次】
- 麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること
- 遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる
- 子どものやる気を引き出す7つのしつもん スポーツメンタルコーチに学ぶ!
- 「遊ぶ」が勝ち 『ホモ・ルーデンス』で、君も跳べ!
- 未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの
- みらいの教育―学校現場をブラックからワクワクへ変える
- 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
- 子育てコーチングの教科書
- みんなで創るミライの学校―21世紀の学びのカタチ
- なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか
麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること
工藤勇一先生の言葉には教育の本質が詰まっています。子どもは本来主体的な生き物であり、受動的にさせてしまっているのは大人であり教育や社会なんだと、自分の人生を自ら歩くことができるようにすることが大事なんだと工藤先生は言います。本書には子どもの主体性を引き出し、子どもたち自ら考えて、行動を起こせるようになるための大人の接し方が書かれています。教育に関わる方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
【目次】
01 子どもはもともとは主体的な生き物
02 手をかけないほど、子どもは自律する
03 不幸になるなら「理想の子育て論」はいらない
04 子どもは思うようには育たない
05 どんな環境でも挑戦できる強い脳はつくれる
06 親はいい加減くらいでちょうどいい
07 親密な親子関係が幸せとは限らない
08 子どもの問題は大人が勝手につくっている
09 あえて言葉にしないほうが、うまくいくこともある
10 親が社会を否定してはいけない
遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる
そもそもすべての子どもは学ぶことが好きなんです。子どもは遊びながらたくさんのことを学んでいるのに、遊ばないで勉強しろと言われてしまうのは、おかしなことなんですよね。この本を読めば価値観が変わると思います。教育が変わる必要があることがわかると思います。子どもたちの好奇心を刺激し、自律を後押しすることができるでしょう。
すべての子どもは、学ぶことが好きです。でも、ほとんどの子どもは、学校(勉強)が嫌いです。この矛盾について私たちは話すのを避けていました。好奇心の塊であるあなたの子どもが不機嫌な怠け者になってしまうのはなぜなのか不思議に思ったことのある読者に、本書は答えと対処法を提供しています。
――『自由に羽ばたける子どもを育てよう』の著者、レノア・スクナージ
異年齢の子どもたちの集団での遊びが、飛躍的に学習能力を高めるのはなぜか。
狩猟採集の時代の、サバイバルのための生活技術の学習から解き明かし、
著者自らのこどもの、教室外での学びから、学びの場としての学校のあり方までを
高名な心理学者が明快に解き明かした。生涯にわたって、良き学び手であるための知恵が詰まった本。
- 作者:ピーター・グレイ/吉田 新一郎
- 出版社:築地書館
- 発売日: 2018年04月09日
子どものやる気を引き出す7つのしつもん スポーツメンタルコーチに学ぶ!
大人は、子どもに教えなければならないと思い込まされていると思うんです。しかし、教育においてもっとも大切なのは子どもたちが主体的に動けるようになることだと思います。先生に言われたから、お母さんに言われたからやっているような子どもはYESマンにしかなりません。藤代さんは子どもが行動に移せるようになるためには質問が大事です、と言います。この本は子どもたちの成長を後押しする質問が書かれています。いますぐ質問がたくさん書かれています。ぜひ、読んでいただきたい一冊です。
教えよう、教えようとしていた自分を変え、子どもたちに効果的な“しつもん”をする。
たったそれだけで、子どもたちの目が輝き出し、みるみる能力を発揮するようになっていったのです。
この本は、スポーツの指導者、コーチ、学校の先生や保護者の方のお悩みを、
七つの“しつもん”で解決していこうという本です。
教えることをやめるってどういうこと?
どうして質問で解決できるの?
質問と“しつもん”ってなにか違いがあるの?
この本を手にとってページをめくりはじめたばかりのあなたの頭には
?マークがたくさん浮かんでいると思います。
この本を通じ、その一つひとつにお答えしていきます。【目次】
第1章 “しつもん”ですべてが動き出す
第2章 しつもんで変わる子どもたち
第3章 子どもがやる気になるしつもん
第4章 子どもの良いところを引き出すしつもん
第5章 子どもの成長を促すしつもん
第6章 親が変われば子どもは変わる
第7章 なりたい自分になる“みらいしつもん”
「遊ぶ」が勝ち 『ホモ・ルーデンス』で、君も跳べ!
「こころから何かに夢中になって「こうしたい」と思うことをそのとおりにできるとき、彼らは最もいきいきして、「自由」を感じています。そして「自由」の中にあるときにこそ、子どもたちは本来の力を発揮し、こころも頭も同時に動かしながら学んでいます。」為末さんは本書でこのように記しています。
子どもの本質を知り、教育の本質を知ることが何よりも大事なんだとこの本を読んでとても強く感じました。これまで私たちが受けてきた教育、常識を疑うことはとても大事。そういうことを学べる一冊です。
【目次】
助走路――遊びって何だろう?
第1ハードル スポーツと遊び
第2ハードル 身体を遊ぶ
第3ハードル コミュニケーションが遊びを拓く
第4ハードル 教養から遊びへ
第5ハードル キャリアと「遊び感」
ゴール――「遊び感」の可能性
未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの
これはすべての大人に読んでほしい一冊。お子さんがいない方も、教育に関わっていないけれど、仕事は頑張っているという人にもおすすめです。その理由は、この本には人間の本質が書かれているからです。人間とはどうあるべきか、どのように進化し、成長していくのか、そのために何をすれば良いのかが書かれています。子ども(人間)の可能性を伸ばすヒントが散りばめられた一冊です。
好奇心とチャレンジ精神に満ち、自分の頭で考え、枠にとらわれず新しいものを創り出す――。あらゆる分野でますます求められるイノベーション能力の謎に迫る、親とビジネスパーソンのための教育書。
イノベーターの資質とは何か。なぜそれが今後ますます重要になるのか。それはどのように芽生え、どうすれば育てられるのか。
エンジニア、起業家、デザイナー、社会起業家、彼らの両親、グーグルやアップルなど独創的な企業の人材開発担当者、 MITやスタンフォードの教育者……大勢の人に取材を重ね、家庭環境から大学教育、企業文化まで俯瞰して見えてきた 「イノベーション能力」の源泉とは?
- 作者:トニー・ワグナー/藤原朝子
- 出版社:英治出版
- 発売日: 2014年05月
みらいの教育―学校現場をブラックからワクワクへ変える
学校が変われば多くの子どもたちは救われます。学校の先生たちにも余裕がありません。この現状を変えていく必要があるということです。そして教育のあり方そのものを変えていかなければならないと強く感じました。学校はどうあるべきか、子どもたちはどう育まれていくべきか、子どもたちがワクワクできる学校にするために何をすれば良いかが書かれています。この本は学校教育に携わる人にはぜひオススメの一冊です。
〇学校現場は「定額働かせ放題」――――内田良(教育社会学者・名古屋大学准教授)
〇「教育の特殊性」は論駁できる――――苫野一徳(教育哲学者・熊本大学准教授)社会が急速に変化し、学校教育への要望が複雑化する中、増え続ける仕事をこなすため、過労死ラインを超えて自己犠牲的に働く教職員の異常な労働実態。
「教師は子どもの人格の完成をめざす崇高で特殊な仕事である」、「教育には政治や経済の論理とは異なる独自の価値がある」――「教育の特殊性」論によって生じている学校現場の課題を克服し、子どもも先生もワクワクできる学びの場としての学校をつくるには?
子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
子どもたちは「あれをしなさい」「これをしなさい」「なんで○○くんはできるのにあなたはできないの?」などと日常的に言われていることが多いと思います。しかし、子どもが成長する為に必要なのは、自己肯定感を高めることなのです。大人が子どもたちの成長を後押しする為にすぐできることの1つだと思います。とても読みやすく、読んだらすぐ使える言葉がたくさん。
実は、多くのママさんが日常使っている「早くしなさい! 」「ちゃんとしなさい! 」「勉強しなさい! 」などの言葉が、子どもの自己肯定感をつぶす大きな原因になっています。
本書で教える簡単な「10の魔法のことば」を上手に使うことで、子どもたちの自信は、驚くほどの上昇カーブで回復していきます。自主性が芽生え、成績は上がり、努力をいとわない子どもに育ちます。
ぜひ「おためし3週間」くらいの気持ちで、魔法のことばを日常にちりばめてください。ママの笑顔の時間だって、必ず増えていきます。【目次】
○はじめに あなたは呪いの言葉を使っていませんか?○第1章 自己肯定感が低い日本の子どもたち
○第2章 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
○第3章 悩めるママたちの相談室
○第4章 お母さんの自己肯定感も高めてしまいましょう
- 作者:石田 勝紀
- 出版社:集英社
- 発売日: 2018年07月26日
子育てコーチングの教科書
コーチングのプロフェッショナルである著者が、実際の子育てを通じて学んだこと、実践したことを踏まえて、子どもの成長に大切なことをわかりやすく説明してくれています。子育て中のパパママは絶対に参考になる本ですが、子どもを預かる教育関係の方々にも気づきの多い本だと思います。
【目次】
序章 コーチングを知る
第1章 子どもを受けとめるスキル
第2章 子どもに働きかけるスキル
第3章 視点を増やすスキル
第4章 自分の内側に力強さが生まれるスキル
最後の章 子どもから学ぶ
- 作者:あべまさい
- 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015年03月
みんなで創るミライの学校―21世紀の学びのカタチ
この本を手に取る方は、今の社会、教育のあり方に疑問を感じている方だと思います。時代とともにあらゆる価値観が変わってきています。教育に関しては古い制度のまま、時代遅れになっていますし、学校そのものが子どもたちにとって最良のものではなくなってきています。この本には、教育の本質が書かれていると同時に、大人のあり方も学ぶことができます。とりわけ学校関係の方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
小さな学校でこそできる主体的、対話的な学び。
開校から16年。ユネスコスクールに選ばれ、子どもたちが生き生きと学ぶ学校。
市民が創ったオルタナティブスクールとして注目を集める大阪の箕面こどもの森学園。 子どもが学びの主人公になり、「学ぶと生きる」をデザインする学校を、
どのように立ち上げ、どのように創ってきたのか。【概要】
・コンセプトは「学ぶと生きるをデザインする」
・自分も人も大切にするということ
・子どもがハッピーであるためには
・大人も学んでいる学校
・多様な教育の選択肢が必要な理由
・学校を変えるためになすべきこと
・教師もハッピーであること
なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか
日本の教育はインタラクティブになりません。先生が一方的に話し、ただ聞いて学ぶだけ…、いまだにそんな授業が多いわけです。更に、学校では正解のある問題を解くことばかりですが、正解のない問いにどう立ち向かうかということが少ないと思います。様々なアプローチがあるわけですが、実は教える側の先生もこれまでの学校生活では学ぶ機会がなかったのでとても難しいのです。どうすれば、子どもたちが主体的になるか、教育現場に求められることが学べる本です。
「勉強しなさい」と親が言わなくても、子どもが自分から机に向かうやる気を育て、変化の大きい時代でも、たくましく生き抜く力を子どもにつけさせたいと思う親の必読書です。
「下町のトップ校」と言われ、作家の芥川龍之介や堀辰雄を排出した名門、都立両国高等学校・附属中学校の現役英語教諭による、
家庭でもすぐに実践でき、学力を伸ばす教育法を解説します。【目次】
【第1章】 「教えない授業」とは何か
【第2章】 英語で実践する「教えない授業」
【第3章】 「教えない授業」への道のり
【第4章】 「教えない授業」は大学入試に通用するか
【第5章】 「教えない授業」が学校を変える
【第6章】 家庭でも「教えない授業」
今回ご紹介させていただいた本は、子どもに関わる全ての大人におすすめです。
子育ての悩みだけでなく、どんなアプローチで子どもの成長を後押しできるのか、たくさんのヒントが書かれています。
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