川崎フロンターレを率いた風間さんの下記書籍でのインタビュー記事が素晴らしいので、一部をご紹介させて頂きたい。
育成年代に携わる方は、是非購入して読むべき一冊かと思います。
私自身、大学時代に風間さんの下でサッカーの本質を学んだ経験が、その後の育成年代の指導にも生きたし、多くの問題点に気がつけるきっかけになりました。
風間さんのサッカー理論と選手育成に関する話は、どんな分野であれ指導に関わる人は必見です。
自分からやりたい気持ちを発していないとなにも上手くいかない
はじめてのフロンターレの練習のとき…
グラウンドで始めて顔をみたら、外から見ていた選手たちの印象とは違いました。
風間監督が思い描いていたものとは違った?
チームが生き生きしていないなと感じました。みんな、何を教えてくれるんだろうと待っている雰囲気があった。自分たちからやりたいと言う気持ちを発している選手が少ない。そのままでは強くならないんですよね。
技術面よりも精神面から変えていかなければいけなかった
大事なのは「やらせない」と言うこと。
自分から「やりたい」というようにすれば、勝手に上手くなっていく。
1997年に桐蔭横浜大学のサッカー部の監督になった時も同じで、選手がやらされるのを待っていた。だから、監督なんだけどクラブハウスにずっといて、グラウンドでの練習もやらなかった。
そうしたら、コーチが飛んできてなんで練習してくれないんですか?って聞いてくるんだよ。だからお前たちの顔なんて見たくないんだよって。
1ヵ月もしたら、選手たちが練習をしてくださいって自分たちから頼んできた。それから練習を始めました。
当時の桐蔭横浜大学は神奈川県リーグ2部でダントツの最下位だった。
10点以上つけられて負けていた。
そんなチームの選手たちが本気になってやらなきゃ勝てるわけがない。
ただ、こっちからいくら本気なると言ってやらせてもそれはこっちの考える本気とは違う。だから、手間はかかるけど、ホンキになるまで待った。
そうしたら、次の年はほとんどそのものメンバーで全勝して一部に上がった。そういうことなんだよ。
【参考書籍】サッカー批評(84) (双葉社スーパームック)
自分の頭でサッカーを考えることを学んだ
私たちは風間さんにサッカーはこうやるんだ!などと教えてもらうことはなかった。
常に相手がいる中で、質の高いボールコントロールを求められるトレーニングをひたすらやった。その中で風間さんの発する言葉を聞いて学んだ。
あの時の経験が今の人生にこんなにも影響するとは思わなかった。
サッカーだけじゃなく、仕事も日常のあらゆること、人生そのものを自分でつくっていかなければならない。だからこそ自分の頭で考える事をあれだけ求められたし、いま子供たちにもそれを当たり前のように求められるのだと思う。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…