フランシスコ・セイルーロ…
2017年の夏、スペインの育成年代の取材でカタルーニャを訪れた時に何度も聞いた名前だ。
エスパニョールのコーチ、エルチェのコーチに「サッカーの本質とは?」と問うと必ずセイルーロの話が出てくる。どうやらスペインサッカーに大きな影響をもたらした人物のようだ。
「グアルディオラのフットボールを学ぶ前にセイルーロを知っておくべきです」
これは現地でカタルーニャ語の通訳をしてくれた方に言われた一言。
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セイルーロは本質を語る
強くなければ速くもないプレイヤーがいる、だが、フットボールが私たちにもたらすスピードのオプションをプレイヤーが促進しすれば、フットボールにおいて最も速いプレイヤーになるだろう。byセイルーロ
— ☞Hiroki☜ (@momiagesandes) 2015年8月7日
なんとも哲学的な表現なのだけれど、つまりフットボールにおいて「強さ」や「速さ」をどう定義するか?という問いなのだ。セイルーロはフットボールの根源に迫り、それを言語化しているのではなかろうか。
そんなことを感じている最中にこんなツイートがタイムラインに流れてきた。
「選手に恐れを抱かせる指導はフットボールへの愛を失わせる」
— kei sakamoto (@ideailista) 2019年2月12日
フランシスコ・セイルーロ
これが指導者にとって最も大事な部分であるといつも心にとめている。 https://t.co/XJa8MZKk8L
バルセロナでサッカーを学んで現在は日本で育成年代の指導に携わる坂本さんのツイートだった。先日お会いしてお話を伺った際も、セイルーロの話をたくさん聞かせていただいた。
坂本さんはバルセロナから戻り、日本の育成年代の現場を目の当たりにして驚愕されていた。
「サッカーを知らない大人がサッカーを教えている」
「子どもたちが楽しそうにプレーできない原因は指導者にある」
「指導者が子どもたちを強迫してサッカーをやらせている…」
育成年代を取材してきた私は頷くしかなかった。
セイルーロの言葉
「選手に恐れを抱かせる指導はフットボールへの愛を失わせる」
言われるまでもなく、当然のことのはずなのに、この言葉が響いてしまうのはやはり多くの育成年代の指導者が子どもたちからサッカーへの好奇心を奪ってしまっている事実を知っているからなのだ。
少年サッカー大会に行くと色んなチームを目にすることができます。その時に色んなチームの指導者の振る舞いを見てみてください。
信じられないかもしれませんが、子どもたちに罵声を浴びせる指導者がたくさんいることに気がつくと思います。
どうにかこの現状を変えていかなければならないと思います。
もう一度セイルーロの言葉を記しておきたい
「選手に恐れを抱かせる指導はフットボールへの愛を失わせる」
大切なのは
「フットボールを愛すること、そして表現させてあげること」なのです。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…