大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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小学生の子どもがサッカーにやる気を出す方法 〜コーチングの本質を掴み、子どもの特性を理解する〜

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先日、小学生低学年でサッカーをしている子どものママさんがこんな話をしてくれました。 

「サッカーやりたいというので地域のクラブでやっているんですが、やる気があるように見えないんですよね。もっと積極的にプレーしてほしいと思っちゃいます。一生懸命やってる子との差が大きいように見えるんです。うちの子よりもっと楽しそうにやってる子もいるのでこの差はなんだろうと思うことが増えてきて…」

 

このような悩みを持つ親御さん少なからずいると思います。ちょっと書いてみたいと思います。

<目次>

 

1. そもそも子どもにとってモチベーションてなんでしょう?

大人が「やる気」を語るとき、目標や意識の話をしがちですが、子どもの場合は少し異なります。子どもにとってのモチベーションは、「面白そう!」や「やってみたい!」という“好奇心”が原点です。言い換えれば、彼らは「これができたらすごい!」という自己肯定感を求めて行動していることが多いのです。

つまり、大人が「結果」を重視しがちな一方で、子どもは「過程そのもの」や「楽しさ」に価値を感じます。だからこそ、やる気を引き出すためには「やってみたい!」を引き出すアプローチが必要です。


2. コーチングの本質

子どもにやる気を出させるためのコーチングの本質は、「子どもの視点を理解し、その視点に立つこと」です。技術的な指導や戦術の教え込みではなく、「どうすれば子どもが自然と動きたくなるか」に焦点を当てましょう。これを実現するためには、以下の3つのポイントが重要です。

1. 環境を整える

  • レベル感を合わせる:あまりに強い相手や難しすぎる練習を課すと、子どもはやる気をなくします。逆に簡単すぎても退屈になります。“ちょっと難しいけどできそう”という絶妙な難易度がベストです。子どものサッカー大会で10点差以上ついてしまう試合を目にしますが本当にナンセンスだと思います。

  • 勝ちたい気持ちを刺激する:負けず嫌いの気持ちは子どもにも本能的にあります。例えば、「相手より速くゴールできるかな?」といった形で、自然な競争心を促す環境を作りましょう。

  • エコロジカルアプローチ要素を取り入れる:子どもが主体的に考え、行動する場面を意識的に作り出します。具体的には、「ゴールを2つ用意して好きな方を狙ってみよう」などとといった形で、選択肢を与え、子どもが自分で判断できる環境を作ります。

エコロジカル・アプローチ

エコロジカル・アプローチ

  • 作者:植田文也
  • 出版社:ソル・メディア
  • 発売日: 2023年03月15日

2. 子どもの特性を理解する

  • 「好奇心」をくすぐる:子どもは、何か新しいことを見たり聞いたりすると、「やってみたい!」と思うものです。例えば、「今日は特別なドリブル技を教えるよ!見たい?」「このテクニックできるようになりたい?」といった新鮮な要素を見せてあげてください。

  • 「競争したい」気持ちを活かす:子どもは勝負が大好きです。単なるランニングでも「誰が一番速いか競争だ!」とするだけで、子どもは目の色を変えて走り出します。前述した力の差は考慮して上手く調整してあげてください。

  • 「ちょっとだけ難しいこと」への挑戦意欲:子どもは、自分が成長していると感じる瞬間に大きな達成感を得ます。「今までできなかったことができた!」という瞬間は、やる気を引き出す最高の瞬間です。難易度の調整は、コーチの腕の見せどころです。

  • 「認められたい」という欲求:子どもは「すごい!」と褒められることが大好きです。上手くいったプレーに対して、その瞬間にしっかり声をかけることが大事です。

  • 「真似したい」という本能:子どもは、好きな選手や身近な人のプレーを自然に真似したがります。「○○選手みたいにしてみよう!」と声をかければ、子どもは意気揚々と挑戦してくれるでしょう。サッカー選手のプレー動画を見せながら練習でのイメージをさせてあげるのもいいでしょう。

3. 大人の接し方を見直す

  • 強制的な指導は逆効果:子どもは「やらされている」という強制を感じると、つまらなくなります。「なんでやらないんだ!」と怒鳴るのではなく、「どのくらいできるか見せて!」と興味を持たせるような声かけを心がけましょう。またすぐにできるようにならなくても焦らず向き合ってあげることが重要です。

  • 干渉しすぎない:失敗は子どもの成長に欠かせない要素です。間違えてもすぐに指摘せず、「なぜそうしたの?」と本人の考えを引き出すアプローチが有効です。失敗からなにを学ぶか、を習慣にしていきましょう。

  • 一緒にプレーする:コーチや親も一緒に楽しんでプレーする姿勢が、子どものやる気に火をつけます。「大人もやってる、僕もやりたい!」という感情が自然と生まれます。口だけ出してプレーしない大人ほど面白くないものです。

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3. 実践的なアプローチ

1. 「ちょっとだけ難しい」ミニチャレンジ

  • シチュエーション例: 「今日はドリブルの練習をします。コーンを5つ並べたので、ボールをジグザグに動かしてみてね。次は右足だけでやってみよう!」と、ステップアップできる内容を提示します。達成感を感じたら次に進むことで、意欲を高めます。

2. 競争を取り入れたメニュー

  • シチュエーション例: 「ゴールを決めるのに何秒かかるか競争しよう!タイムを測るから、次はもっと速くできるかな?」と声をかけます。他の子どもたちが応援する場面を作り、互いに刺激し合う環境を整えます。

3. 環境の工夫

  • シチュエーション例: 「今日は2つのゴールがあります。左は大きなゴール、右は小さなゴール。どっちにシュートするか決めてみてね!」と選択肢を与えます。自分で選んだことへの責任感や達成感を引き出します。

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4. コーチングが上手くいかないときの具体例と対処法

例1: 子どもがやる気をなくしている

  • 原因: 練習が単調で飽きてしまっている、あるいは成功体験が少ない。

  • 対処法: 練習メニューに変化をつけたり、簡単に成功できるミニゲームを導入します。「今日は特別なルールでやろう!」といった工夫で新鮮さを与えましょう。

例2: 子どもが指示に従わない

  • 原因: コーチングが一方的で、子どもが主体性を持てていない。

  • 対処法: 子どもに選択肢を与えます。「どっちの練習をしたい?」と問いかけることで、自分で決めたことに対して意欲的に取り組むようになります。

例3: 子ども同士で衝突が起きる

  • 原因: チーム内での競争心が高まりすぎている、あるいはコミュニケーション不足。

  • 対処法: チーム全体で協力するゲームやミッションを設け、「みんなでゴールを目指そう!」という形で連帯感を高めます。

例4: 子どもが失敗を恐れて挑戦しない

  • 原因: 失敗に対する恐怖心が強い。

  • 対処法: 「失敗してもOK!」という雰囲気を作り、失敗した際には「ここまでできたね!次はこうしてみよう!」とポジティブなフィードバックを与えます。

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5. まとめ

子どもがサッカーにやる気を出すためには、「面白そう!」という気持ちを引き出すことが最優先です。指導者や親がすべきことは、成長を感じさせる適切な環境の用意と、子どもに合った難易度のチャレンジを提供すること。また、上手くいかない場面でも冷静に原因を探り、適切な対処をすることが大切です。

「面白い!」と思った瞬間、子どもたちの成長は止まりません。
「もっとやりたい!」と言わせるのが、最高のコーチングです。

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