大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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ペルーで元プロサッカー選手だった47歳のおじさんの上手さ。南米コミュニティのソサイチ大会で学んだこと

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先日、ペルー人の友人に誘われて、南米コミュニティのソサイチ大会に行ってきました。

 

出場チームはペルー人チーム、ブラジル人チーム、パラグアイ人チーム、南米諸国混成チームという、スペイン語とポルトガル語が飛び交うまさに南米にいるかのような雰囲気の大会でした。

 

陽気な音楽が流れている中、それぞれのチームの応援は熱量が高く、太鼓を叩くチームまでありました。

 

試合の方は、1勝2分1敗という戦績だったわけですが、その中で印象的だったことをまとめておこうと思います。

 

ペルーで元プロサッカー選手だった47歳のおじさん

2試合目に対戦したペルー人チームのトップの選手が、元ペルーでプロだったという47歳の体のでかいおじさんでした。私がマッチアップしたのですが、動きは遅いけど、ポジショニング、動き出すタイミングとボールを受ける技術が抜群でした。

彼にボールが入るタイミングを常に狙っていたのですが、上手く体をぶつけられて前に出れず、後ろから足の間を狙って突こうとするのですが、お尻でブロックされ、ファール覚悟で力づくで横から足を入れようとした瞬間に入れ替わられ前を向かれてしまいました。

一応、私も大学までプロを目指してやってきましたし、プロ選手との試合も経験してきましたが、なかなか背負われて体をぶつけた状態で前を向かれた経験はありませんでした。当然、かなり自分自身の能力劣化はありますが、ディフェンダーが優位なので前を向かれるとは思いませんでした。しかも相手は47のおじさん…

 

しかもこのグラウンドは小石と雑草がところどころにあるボコボコの状態で、パスがイレギュラーするのでボールを収めるのが難しいピッチコンディションです。

それでも、上手くやられてしまったことは衝撃でした。

 

ボコボコのピッチでの技術、イレギュラーボールのコントロール

大会を通じて感じたのですが、南米の選手は、ボールがどんなに中途半端なところにあっても、コントロールする力がとても高い。

日本の選手は、そもそも中途半端なボールの処理をしないようにトレーニングされるから、ズレたり半端なボールのコントロールが得意ではありません。

我々は、パスを正確に出せれば、トラップしやすい、だからパスの精度が高い前提でトラップの練習をするわけです。でも彼らは、目的がボールを前進させること、ゴールに近づくことなので、パスが正確に来なくても、上手くコントロールできればよいという感覚なんです。目的がパスやトラップにならない。目的がいつもゴール、勝利。目的が上手くやることになってはダメで、僕ら日本人は結構こうなりがちだよなと思います。

 

正確性のあるプレーよりも、泥臭く、局面の駆け引きと戦いで少しづつ優位に進めていく、その積み重ねで前進していくんです。多分、Jリーグや欧州のサッカーを見慣れたファンが見ても「上手い」とはとても感じられないんじゃないかなと思うんです。

でも本気でサッカー選手を目指してきた人は理解できる世界、というとちょっと嫌らしいけれど、そういう体でスキマをグイッと作ったり、外から見えない駆け引きで打開する技術がとてもとても高いのが、南米サッカーの特徴なんです。

 

試合中に喧嘩で止まる

4試合中、2試合がケンカで中断しました。判定への不満、アフターで入ったタックルetc...  勝利への貪欲さ、感情剥き出しのプレーがそうさせるわけですが、ベンチの選手や監督もピッチに入って抗議します。ローカル大会だから一定許容されるので、どう制御しても彼らは止まらない苦笑。

こういう光景も南米ならではではないでしょうか。

 

日本のサッカーと南米のサッカーは全然違います。

考え方も、プレーの仕方も全然違います。

日本の良いところを残して、南米から学ぶべきところを学ぶことができたら、きっともっと日本は良いサッカーができるようになるのかなあと思います。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

keikun028.hatenadiary.jp

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南米蹴球紀行

南米蹴球紀行

  • 作者:クリス・テイラ-/東本貢司
  • 出版社:勁文社
  • 発売日: 2001年03月