子どもたちにサッカーを心から楽しんでもらいたくて、不定期で練習会を企画しています。
いつも、日程を決め、保護者の方にこう声をかけます。
「参加したいかどうか、子どもたち自身に聞いてくださいね」
子どもたちに参加を強制することはありません。
やらされた瞬間に、サッカーが「楽しいこと」ではなくなるからです。
そのため、この練習会には、サッカーが好き!サッカーがしたい!と目を輝かせた子どもたちが主体的に集まってきます。
少年団の子たちもたくさん集まります。
一般的に、クラブチームにばかり強い子が集まっているイメージもありますが、全くそんなことはありません。
少年団から来た、身体は小さくてもキョロキョロ周りを見て頭を使ってプレーする選手、想像を超える選択肢を持っている選手。ボールを足元でピタリと止める選手・・・。
少年団であっても、クラブであっても、子どもたちは可能性に溢れるダイヤの原石ばかりです。
残念なことに、チームの監督が噂を聞きつけ、「監督がダメというから‥」と参加できない子もいます。
一方で、ある少年団の監督は、所属する少年団の選手たち数人に、「刺激を受けておいで!」と自ら声をかけ、参加を促していました。
仕事をしながら、合間を縫って少年団で指導をするその監督。
時折練習を見に来て、こう言ってくれます。
「子どもたちにはこういった場で色んな刺激を受けてほしいですね」
「こういった場が本当にありがたいです」
「僕も指導を学ばせてもらっています」
色んな指導者、色んな選手の中でたくさんの刺激を受けて、そのなかで本人が取捨選択して自分でプレーを判断できるようになってほしい、と思ってくれているようです。
この監督の愛情や、いい指導を取り入れたいという謙虚な姿勢、子どもたちを伸ばすために学んでいる姿がきっと子どもたちや保護者に伝わんるんでしょう。
多くの少年団が選手が集まらないという現状を抱えていると聞いたことがありますが、そのチームの部員は少しずつ増えているそうです。
時として、体罰や傲慢な指導者がいる代表として槍玉にあげられる少年団。
でも、子どもたちを心から想い、育ちに関わってくれている少年団の監督やコーチもたくさんいます。
クラブチーム、少年団でどちらが良い悪いとカテゴライズできるものではありません。クラブの子も少年団の子も入り混じるこの練習会では、クラブだから、少年団だから、といった偏見や特別意識はありません。
どのチームも子どもはみんな変わりません。
子どもたちの笑顔を願う保護者の姿もみな同じです。
前述した監督さんは「ジュニア世代に関しては大人の導きかたで人生変わってきますから」と言っていました。
クラブチームも少年団も関係なく、保護者も含め全ての大人は、子どもの人間形成で最も大切な時期に触れているという自覚を持って子どもたちに関わっていかなくては。
そして、この練習会のように、J下部、少年団、街クラブの垣根を越え、子ども、保護者、指導者がともに学び合える場がもっと増えていくといいな、と思います。
ライタープロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。大人の心を育む本をご紹介していきます。