以前、セルジオ越後さんが、補欠という概念が日本のスポーツをダメにしていると言いました。
試合に出たい子どたちが出れない。月謝払ってるのに、上手い子しか上手くなる機会は与えられない。試合でたけりゃ練習しろってもはや指導者じゃないよね。まずは上手くなる機会を与えてあげないと上手くならないです。 pic.twitter.com/Se4Wk58I7X
— Kei Imai (@Keivivito) October 29, 2019
日本では、試合に出るためには上手くないといけないという価値観が根強くあります。
プロサッカーの話でなく、子どもたちのサッカーの話です。
「試合に出たかったら上手くなれ!」という声に違和感を感じる人は恐らく少ないと思います。
なぜなら、この価値観が当たり前になっているからです。
しかし、サッカーは試合に出ないと上手くなりません。
サッカーを上手くさせたいなら試合に出すことです。
上手くなったら試合に出すという価値観は、子供の成長よりも、目先の試合に勝利するための大人の都合である場合が多い。
日本の少年サッカークラブはそんなチームばかりに見えます。
どうしたら子供たちはサッカーが上手くなると思いますか?
苦しい練習を乗り越えて、誰よりも努力して、気合と根性と圧倒的な練習量で上手くなっていく。このように考える指導者の方がものすごく多い。
では、ネイマールやメッシはどうやって上手くなったのでしょうか?
気合と根性と圧倒的な練習量で上手くなったのでしょうか。
違うんです。
彼らは子供の頃、サッカーを心から楽しみ、愛する心を育んだんです。
夢中でプレーし、夢中で遊んで上手くなったんです。
大人から上手くなるためのアドバイスはもらったかもしれません。しかし、練習を強制されたり、プレーを矯正されることはありませんでした。
彼らの幼少期のプレーを見ればわかりますが、現在と変わらないプレーをしています。
メッシのような才能がないから努力を強いるのは当然だ。などという声が聞こえてきそうですが、そもそもサッカーをする子ども全員がプロを目指さないといけないわけではないんです。
日本のサッカー文化を育む為には、サッカーが好きな人、サッカーの素晴らしさを知る人を増やすことです。この前提なしにサッカーは決して強くならないと思います。
だからこそアプローチを変えないといけません。
子どもを上手くさせるためにやるべきこと
まずはサッカーを好きにさせることです。好奇心を刺激して、サッカーに夢中にさせること。この過程を飛ばして上手くなることを強いてしまうとサッカーが嫌いになってしまいます。
しかし、コーチの役目は、好奇心を育み、主体性を引き出すことが本来求められることです。目先の試合に勝つことではありません。
日本の育成年代では、しばしば上手い子供達を中心に回っているように見えます。
上手くない子、足が遅い子は上手くならないと試合に出る機会を与えてもらえない。
これでは上手くなる可能性のある子の芽が出ません。
子供達全員を試合に出すんです。欧州や南米では当たり前のことなんです。
上手い子どもしか試合に出さないという価値観を捨てること
試合に出たければ上手くなれ!ではなく、上手くなる為に試合に出すんです。指導者を含めた大人の価値観が変わらなければいけないと思います。
技術や戦術の話はその後です。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…