大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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パワハラといじめでサッカーを辞めた青年が、サッカーコーチになった話

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パワハラといじめでサッカーを辞めた青年が、サッカーコーチになった話。

このエピソードは、ある大学生に聞いた話を元に書きました。

 

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青年はサッカーが大好きでした。少年団やクラブには入らなかったものの、小さい頃からボールを蹴って遊び、中学に入ってからはサッカー部に入りました。彼は才能があり、小学生の頃からクラブや少年団でプレーしてきた仲間と共に、チームの主力として活躍しはじめました。

サッカーが嫌になり、サッカー部を辞めるきっかけ

しかし、彼のコーチは厳しすぎました。コーチは古き悪しき根性主導の指導スタイルで、失敗やミスを許しませんでした。選手たちを罵倒し、罰走を命じ、時にはオーバーワークによるケガを誘発させることもありました。権力をふりかざし、選手たちに恐怖を植え付けました。

ある時、罰走の原因が青年によるものとなったことがきっかけで、チームメイトたちは青年に対して敵意を抱きました。彼はチームの中で孤立し、イジメの対象になりました。中学からサッカーをはじめたのに、実力があったことも嫉妬の対象になったのかもしれません。

彼は仲間から暴言や暴力を受け、時にはパスを渡してもらえなかったり、わざと足を引っ掛けられたりしました。彼はサッカーが嫌いになり、サッカー部を辞めました。

 

公園サッカーが繋いでくれた

彼はサッカー部を辞めてからも、サッカーが忘れられませんでした。ある時、学校の帰り道に小さい頃ボールを蹴って遊んでいた公園に立ち寄りました。そこで、子どもたちと大人たちがサッカーをしているのを見つけました。

彼は見ているだけでしたが、サッカーをしていた大人が青年に声をかけて一緒にやらないかと誘ってくれました。

最初は戸惑いましたが、久しぶりにボールを蹴りたいという気持ちが勝りました。彼らと一緒にサッカーをすることにしました。

彼はサッカーをすることで、楽しさや喜びを思い出しました。彼らは青年のことを仲間として受け入れてくれました。褒めてくれたり、助言してくれたりしました。

また、小さい子たちを自分がサポートすることもまた喜びでした。彼らは青年のことを尊重してくれました。

青年はその日から毎日公園に通うようになりました。子どもたちや大人たちと一緒にサッカーを楽しみました。

ある日、彼は自分の将来について考えるようになりました。彼はサッカー選手ではなく、サッカーコーチになりたいと思いました。彼は自分が受けたようなパワハラやイジメのない環境で、選手たちに楽しくサッカーを教えたいと思いました。彼は自分が感じたような楽しさや喜びを、選手たちに伝えたいと思いました。

いいサッカーコーチになるために

彼はサッカーコーチになることを決めました。

本やビデオなどで、有名なコーチや選手のインタビューや論文を読んだり、YouTubeの試合の分析を見たりしました。

サッカーのライセンスも取得しました。彼は地元のサッカー協会が主催するワークショップやセミナーに参加し、コーチングの基礎や方法を学びました。

なにより、子どもたちに大切なことを伝えるために、サッカー以外の教育のこと、ハラスメントやジェンダーについても熱心に学びました。

自身が経験した辛い経験を、子どもたちにさせたくないという想いで。

 

彼は地元の少年サッカーチームのコーチになることができました。

子どもたちに自分の経験や考えを伝え、楽しく学べる環境を提供し、自信や責任感、チームワークやスポーツマンシップなどの価値観を伝えています。

 

彼は、子どもたちと共に成長していきたいと言います。

子どもたちの個性や特徴を把握して、それぞれに合った指導法やアドバイスし、技術や精神面での進歩を見守りたいと。なにより自分がまだまだ未熟だから一緒に学んで成長していきたいと。

 

青年は自身の辛い経験を振り返り、こう言いました。

「サッカー部を辞めることになった時は、本当に辛く、苦しかったけれど、公園でのサッカーが私のサッカーへの情熱を思い出させてくれました。

そして自分が受けた辛い想いを子どもたちにはしてほしくない、サッカーを楽しく情熱を持ってプレーしてほしいと思えるようになりました。

苦しかったけれど、いまこうしてコーチができているのはあの時の辛い経験と、公園でのサッカーがあったからだと思います」

 

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このエピソードは、ある大学生に聞いた話を元に書いています。

 

彼の話を聞いていると、子どもたちへの愛情が伝わってきました。

中学時代の話は本当に苦しかったそうで、当時のコーチの言葉や指導は今でも鮮明に覚えているそうです。でも、公園で声をかけてくれたおじさんのこともハッキリと覚えているそうで、公園で知らない大人と子どもたちとボールを蹴った時の温かい感情も一生忘れないと思うと言っていました。

サッカーでポジティブな記憶をどれだけ子どもたちに残せるか、これはコーチのみならずサッカーを愛する大人の役目なのかもしれません。

 

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