日本のW杯が終わった。
予選で敗退するだろうという大方の予想を覆し、素晴らしい戦いをみせて決勝トーナメント進出を決めた。
さらに優勝候補の一角である強豪ベルギーとの決勝トーナメント一回戦、2、3点差はつくだろう…というこちらも大方の予想を覆し、2−3というあと一歩で勝利というところまで追い詰めた。
私はピッチでプレーした選手たち、スタッフを称えたいと思う。
多くの日本国民を熱狂させ、サッカーに魅了された人も少なからず増えたのだと思う。
しかし、日本サッカーは多くの課題、問題を抱えていることも忘れてはいけない。
大会直前の理解不能な監督交代、目先の結果に執着する意思決定、招集すべき有望な若手、これまで結果を出してきた選手よりも地名度で選出せざるを得ない?空気感。
4年に一度の“大きなお祭り”で終わってしまうのではなく、日本のサッカー文化を育んでいくために動いて欲しいと思う。
育成年代、指導者育成、サッカー環境、国内サッカー(Jリーグ)、これらへの投資が必要なことは明らかだ。
さて、日本のW杯を終えてから読んだ3つの記事をご紹介したい。
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日本が目指すべきサッカーっていうのは、自分の中では確信できていない部分がある
「今、自分が持っている感覚と、5年後、10年後に持っている感覚は、また違ってきていると思う。難しいですね」 とはいえ、まったく考えがないわけではない。長谷部なりのビジョンがある。
「もちろん、日本人らしさとか、そういうものはあると思う。ただ相手も変わっていくし、だからサッカーって生き物だな、と。そういう柔軟性も持ち合わせなければいけない」 ひとつのスタイルに固執するのではなく、時代の流れや目の前の状況に応じて、フレキシブルに戦う。
「サッカーは生き物」代表引退の長谷部誠が描く日本代表の進むべき道【ロシアW杯】 | サッカーダイジェストWeb
【昌子源】80年間で受けるプレッシャーを1か月で受けた気がする
昌子は全力で敵陣ゴール前から自陣ゴール前まで全速力で走っていた。
だが、どうしても追い付けない。
「僕も全速力で追いかけたけど、追い付けないスピード。加速していくし、スピードが落ちることはない。最後のスライディングも僕だったし、『何で追い付けんのやろ』と悔しくてふがいなかった」。
スライディングで懸命に足を伸ばしてブロックしようとしたが、シャドリが合わせたボールはネットを揺らした。
「例えば僕が後ろから追いかけて足音が聞こえたときに、パスがちょっとマイナスにいったとか、スピードが落ちるだけでも、僕の最後のスライディングは届いたと思う。けど、なんせ落ちなかった」。
爆発的なスピードの中でも、そして相手のプレッシャーを感じた中でも正確なプレーを連続させ、プレーに関わった選手が同じ絵を描いていたからこそ生まれた決勝ゴールに驚嘆するしかなかった。 昌子にとっては初の大舞台。
「いろんな期待やプレッシャーもあったし、今までに経験したことのないプレッシャーを受けた」。そのプレッシャーを言葉で表現すると、「普通の男性が80歳まで生きるとすると、80年間で受けるプレッシャーを1か月で受けた気がする」。
【セルジオ越後】さらに上を目指すには…
日本も今大会が終わって、メンバーの多くが変わるだろう。本来なら、今大会までにもっと若い選手が出てきて、どんどんベテランに取って代わらなければいけなかった。ここからさらに上を目指すには、4年というスパンではなく8年とか長期的な対策を練る必要があるよ。 その点では今回のワールドカップは良い勉強になったのではないかな。例えば、ベルギー戦の最後のカウンターのシーン。エリア付近でボールを受けて日本のゴール前まで運んだのは、ゲームメーカータイプのデ・ブルイネだった。これを見て柴崎は何を思っただろうね。ロングパスを捌くだけでなく、自らドリブルで仕掛けて数的優位を作れなければいけない。そういう進化の必要性を感じていたとしたら、彼はもっと良い選手になれるはずだ。 日本代表は、この大会をもって、積み上げてきた多くの“在庫”を失う。新たに日の丸を背負うことになる若手の台頭に期待したいね。
サッカー文化を育むために、我々にできることは何だろうか。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…