《フットボール批評issue02 サッカーを「知らない」日本人》がとても面白かった。
とりわけ南米サッカー、アルゼンチンサッカーの真髄を知り尽くした亘さんのインタビューは必読であります。
サッカーの本場を、本質を知る亘さんの言葉はいつも学びが多い。
本書の一部を引用してご紹介させていただきます。
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南米の選手は置かれた環境に すぐに対応してプレーできる
ー亘さんは1991年にアルゼンチンに行って、ボカ・ジュニアーズとプロ契約を結びました。南米に行く前と行った後で印象は変わりましたか。
「アルゼンチンに行くまで、僕の中で南米のサッカーは『個人技」というイメージでした。華麗なフェイント、キレのあるドリブル.........。そういうものがたくさん知りたかった。 だけど、実際に行ってみると、全く違いましたね」
ーどのあたりがイメージと違ったんでしょうか。
「サッカーの捉え方が、日本とアルゼンチンでは180度違いました。日本ではよく「自分たちのサッカーをしよう」と言いますよね。自分たちの良さをどうやって出すかを先に考える。でも、南米、特にアルゼンチンの人たちはそういうことは考えていなかった。
相手ありき、なんです。」
ー相手に合わせて、やりたいことをやると。
「そうです。例えば、相手に背の高い選手がいるとすれば、浮き球を蹴らせないようにする。速い選手がいるなら、裏のスペースを消す。それが当たり前にできる。そもそも、速さとか高さだけで勝負するのであれば陸上をやっていればいい。だけど、サッカーはフライングしてもいいスポーツなんだから、それをやったほうがいいじゃないかと」
―なるほど。
「メッシが派手にボールをまたぐフェイントをすることって、ほとんどないですよね? ラベッシもアグエロもそうです。彼らのドリブルは至ってシンプル。相手のスピードを止めて、先に出て行く。もしくはスピ ードを上げるフリをして食いつかせて、逆方向に切り返す。ドリブルの形は変わらなくても、そこに至るまでのタイミング、スピードの緩急を変える。そこの駆け引きをすごく重要視しているのが、南米サッカーだと思います」
Photo by Yuki Ueda
サッカーの捉え方が、日本とアルゼンチンでは180度違う
サッカーのスタイルが国によって全く異なるというのはとても面白いですよね。南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、それぞれスタイルも考え方も全然違います。南米といってもブラジルとアルゼンチンは全然違いますし、パラグアイとペルーも全然違います。
日本という国も他国とは異なるサッカーのスタイルがあります。
違って当然なのです。
ただ、懸念すべきことは日本人はサッカーというゲームの本質を捉えるのがとても下手だということです。
「自分たちのサッカーをしよう」という言葉が流行ったように、サッカーの本質である「相手との駆け引き」「相手との戦い」という視点が抜けてしまいがちなのです。
相手を必要としないリフティングやドリブル、フリーキックが抜群に上手い人はたくさんいるけれど、相手との駆け引きが上手い人、サッカーが上手い人は少ないということです。
サッカーの本質とは何だろうか?
このテーマをぜひ、多くの人に考えてもらいたいと思います。
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サッカーの本質を追求する旅はつづく…