サッカーコンサルタントの幸野健一さんが、カタールワールドカップの日本の快進撃に警笛を鳴らしました。Twitterで発信された投稿をご紹介します。
ワールドカップで戦ったドイツ代表やスペイン代表は、日本代表と同じレベルのチームを作ったら、何十チームもできるはず。水面下に見えない肥沃な大地があるわけで、大事なのは育成年代でサッカー燃え尽きて辞める選手なくして、生涯にわたって続ける選手を育てることこそ、最強の強化になるのにな。
— 幸野健一(サッカー・コンサルタント) (@footy_ken) 2022年12月2日
昨日のツイートでかなりの質問きたので補足します。これ僕が作っている競技者人口比率の表で、草サッカー選手の総数を人口で割ったものです。FIFAランキングのベスト10に入るような強国は5〜10%なんです。これがランキングが下がっていくにつれ、比率も下がっていくという相関関係があるんですよね。 pic.twitter.com/Kg48rtXKaj
— 幸野健一(サッカー・コンサルタント) (@footy_ken) 2022年12月3日
また、日本サッカーが強くなるために必要なことと題して「サカイク」さんで語っている内容が素晴らしく、サッカー文化を育んでいく上で、とても重要なことが記されていました。
幸野氏は記事の中で、FIFAランキングと各国サッカー協会登録の競技人口を比較し、こう分析しています。
「FIFA ランキング1位のドイツは、競技者人口比率が20.21%。つまりドイツ国民の5人に1人がサッカー協会に登録して、サッカーをプレーしている計算になります。この数字は子ども(ジュニア)から大人(シニア)まで含まれているので、文字通り老若男女がサッカーをそれぞれのレベルに合った環境でプレーしているわけです。ドイツのブンデスリーガの観客動員も欧州で一位であり、競技者人口比率も世界で一位。総人口8000万人のうち、1600万人がサッカーの競技者として登録されています。2位ブラジルの1300万人と比べても、飛び抜けて多い数字です。まさにワールドカップ優勝、サッカー世界一にふさわしい国と言えるでしょう」
翻って日本はどうでしょうか。残念なことにFIFAランキングは60位まで下がってしまいました。日本の競技者人口比率は3.8%。人口1億2600万人に対して、480万人ほどが日常的にサッカーをプレーしている計算になります。
「日本は人口が1億人を超えています。サッカー強国では、ブラジルの2億人に次ぐ規模です。しかし競技者人口比率が3.8%と少ない。上位の国の顔ぶれを見る限り、競技者人口比率が6%を超えて初めて、その国のナンバーワンスポーツ、誰もが身近にそのスポーツを楽しんでいると言える環境になります」
サッカーの競技人口を増やすこと
ドイツと比較すると、日本にサッカーが定着していないことがよくわかります。まずはサッカー競技人口を増やさなければならないということです。
これまで当ブログでは育成年代の重要性、子どもたちがプレーする環境にフォーカスしてきましたが、問題の本質は大人がサッカーの本質、魅力を知らないことなのではないかと思っています。本当にサッカーの魅力を理解していればこんな現状にはならないからです。子どもたちのプレー環境を良くしていくには、大人がサッカーを楽しめる環境を整える必要があるのだと思います。
幸野さんはこう語ります。
誰でも、どこでもサッカーを楽しむ環境を
「いま日本のサッカーに関わる人達の関心はワールドカップに向いていると思いますが、日本代表は山の頂上の一角にすぎません。山の頂上を支える土台、裾野を広げることが大切なことであって、それがサッカーをプレーする人を増やすこと。つまり日本の競技者人口比率をあげることなんです。そのために何をするべきか。まずは誰でも、どこでもサッカーを楽しむことのできる環境。そして一度始めたサッカーを辞めずに、私のように50歳を越えても毎週末プレーできるような環境づくりが必要です」
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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