大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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サッカーから考える現代社会:教育とマネジメントのジレンマ

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こんな話を聞きました。

「サッカーコーチとして感じるのは、年々サッカーに対する好奇心がない子が増えていることです。子どもたちにとってサッカー以外のエンタメが優位になっている。スマホゲームが最上位にあって、それをどうにかしたい親がサッカーをさせる」

「ボール遊び禁止の公園でのびのび遊べないから、公園のベンチで子ども同士でスマホゲーム。こんな光景が本当に増えた。サッカーが選ばれない」

サッカーと社会は密接に繋がっています。社会の変化はサッカー、さらには指導にまで影響を及ぼします。そしてその変化は、スポーツだけでなく教育やマネジメント全般に深く関わっています。私たちは、子どもたちを取り巻く環境が急激に変化している中で、大人自身の価値観や指導方法を変えざるを得ない状況に直面しています。しかし、その変化に十分に対応できているとは言えないのが現状です。

子どもを取り巻く環境の変化とその影響

少子化、ボール遊び禁止の公園の増加、それだけでなく現代の子どもたちは、デジタルデバイスやSNSに囲まれた生活を送っています。その結果、運動能力の低下や好奇心の減少、さらにはスマホ依存といった課題が深刻化しています。

一方で、教育現場ではハラスメント撲滅が叫ばれ、指導者の言動に対する目が厳しくなっています。これは重要な進歩である一方で、「教育すること」がますます難しい時代にもなっています。

例えば、学校では学級崩壊、スポーツの現場ではチームのマネジメント崩壊といった問題が増えています。それらの原因は単なる指導力不足では片付けられません。教育を受ける側の子どもたちや保護者が、指導者の言葉や行動をハラスメントと感じるケースが増えているのです。その中には、実際にはハラスメントではないものも含まれている可能性があります。このような「受け手の強さ」が、指導の難易度をさらに上げているのです。

指導者としてのジレンマ

私自身、仕事をしながらマネジメントをする立場として「教育することが怖い」と感じることがあります。強く言い過ぎたかもしれない、自分の指導が不適切だったのではないかと振り返る瞬間があります。そしてその不安が人事からの連絡や問題視される可能性に繋がるのではないかと考えることも少なくありません。

もちろん、ハラスメントは断固として許されるべきではありません。しかし、若い世代と本気で向き合う中で、指摘し、正すべき場面は必ず訪れます。その際に、相手の心に強く訴えることができなければ、マネジメントは無力化してしまうと感じています。このジレンマを抱えながら、教育やマネジメントに取り組む指導者が増えているのではないでしょうか。

教育現場とスポーツ現場の共通点

このような葛藤は、学校教育の現場やスポーツの育成年代の現場ではより顕著なのではないでしょうか。

特に学校で起こっている問題としてよく耳にするのは学級崩壊です。子どもたちに強く指導すべき場面でハラスメントが恐くて指導できないために、子どもたちが授業をまともに受けない現象が起こっていると聞きます。モンスターペアレンツに悩まされる先生の話も聞きます。またサッカーのようにチームスポーツでは、子ども一人ひとりの成長を促しながら、チームとしての目標も達成しなければなりません。指導者は、子どもたちだけでなく、親御さんの信頼も得る必要があります。親御さんからの信頼を得られなければ、いくら素晴らしい指導をしても十分な成果は得られません。

社会と教育が求める新しい指導の形

サッカーは、社会の変化を映し出します。そしてその変化は、教育とも繋がっています。指導者は、ただ技術を教えるだけでなく、人としての教育や信頼構築を同時に行うという複雑な役割を担っています。そして先生や指導者は人間であり、完璧ではないわけです。だからこそコミュニケーションが大切なのです。それを怠っているがゆえに問題が大きくなっているのかもしれません。

現代社会では、指導者が「恐れ」を抱えながらも、柔軟かつ力強い教育方法を模索する必要があります。そのためには、従来の指導方法を見直し、時代に即した新しい価値観やスキルを身につけることが求められます。

親や子ども、受ける側も理解が必要であるとも思います。

結びに

サッカーと教育、そしてマネジメント。この三つは現代社会の中で密接に繋がっています。変化の時代において、私たちは大人として、指導者としてどのように対応すべきなのか。サッカーが教えてくれるのは、単なるプレーの技術ではなく、変化に適応し、信頼を築きながら未来を切り拓く力なのかもしれません。

keikun028.hatenadiary.jp

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