日本サッカーには特有の問題がある。罰走や体罰という理不尽な指導、高校サッカーが引き起こす弊害、部活動問題などサッカー先進国では考えられないような問題が日本には多く存在する。そんな「鎖国」日本をアップデートさせることを志す1人の若者によって始まった連載企画「日本サッカーを開国せよ」。
今回のテーマは「日本のトレセンについて」
文:小谷野拓夢
〇目次
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①はじめに
先日Twitter上で某市のトレセン(=トレーニングセンターの略)の選手選考の基準が問題となった。その内容は50m走のタイムやリフティングが基準となっていたものだった。
果たしてそれが良いか悪いかは一旦置いておこう。まず考えなければいけないのは、日本がどのようなサッカー選手を育成したいのかである。ひいては、日本はどのようなサッカーを理想として掲げているのか。
これを答えられる日本のサッカー指導者は何人いるだろうか?もしかすると誰もいないかもしれない。これが日本における育成の浸透度を表しているのだ。
②日本対イランを見て
先日行われたアジアカップ準決勝の日本対イランを見てあることを感じた。
それはイランのサッカーが縦にロングボールを放り込み、ロングスローを放り込むという「高校サッカー感」が強かったことだ。
これを見ながら、「普通逆であるべきではないか?」と思った。なぜなら日本の育成年代である高校サッカーや中学生のサッカーでよく見る戦い方だからだ。本来、育成年代で行われていることはトップへと繋がっていなくてはならない。しかし、日本サッカーはトップと育成年代で全く繋がりがない。
日本が南アフリカ大会から進歩しない理由は間違いなくここにある。一貫された指導。ここに尽きる。
③日本サッカーが目指すもの
日本サッカーは果たしてどういうサッカーを理想としているのか?そしてそれに向けてどのような選手を育成していくのか?
これを明確にし、トップからグラスルーツまで浸透させる必要がある。国レベルで取り組まないといつまで経っても日本は「アジア」の強豪国で足踏みしたままである。
もし本気で取り組むとなれば、今起こっている理不尽や根性論、過密日程のトーナメントのおかしさに気づくだろう。
④おわりに
今の育成年代を見てると、指導者は各ステージで結果を出すことしか考えていないように思える。育成年代で大事なことは、次に継なぐことだ。果たして、どれだけの指導者が未来を見て指導ができているのだろうか。
指導者は、今一度選手と向き合うべきだろう。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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