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日本サッカーを開国せよ vol.4|怒鳴るコーチはなぜ怒鳴ることしかできないのか

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日本サッカーには特有の問題がある。罰走や体罰という理不尽な指導、高校サッカーが引き起こす弊害、部活動問題などサッカー先進国では考えられないような問題が日本には多く存在する。そんな「鎖国」日本をアップデートさせることを志す1人の若者によって始まった連載企画「日本サッカーを開国せよ」。

今回のテーマは「怒鳴るコーチはなぜ怒鳴ることしかできないのか」

文:小谷野拓夢

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〇目次

 

①怒鳴るコーチたち

「なんでやらねーんだよ!!」 「いけよ!!」 

隣のコートで怒鳴り散らすコーチ。高校生はがむしゃらにプレーする。これが根性サッカーというやつなのか。

怒鳴ることしかできないコーチというのはどの年代でも必ず見かける。自分も小さい時に怒鳴るコーチの指導を受けたことがあるが、とにかく嫌な気持ちになる。ミスをするとここぞとばかりに非難する。途中からそのコーチの声はただ聴いているフリをするようになった。

 

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このような関係のコーチと選手は必ずいるはずだ。かわいそうなのは選手だ。日本の育成年代はまだ移籍する制度が整備されていないため、一度チームに入ると移籍するのは難しくなる。最悪三年間を棒に振ることもある。そうなると選手にとっては大きなマイナスである。

なぜいつまでも怒鳴るコーチは変わらないのか。

 

②なぜ怒鳴るコーチたちは変わらないのか

変わらない理由はシンプルである。自分が正しい指導をしていると思い込んでいるからだ。

残念ながら人という生き物は自分のしていることを正当化したがる。怒鳴るコーチというのは、自分をとにかく正当化してしまう。何十人もの子どもたちを率いることで勘違いしてしまうのかもしれない。だから学ぼうとすることもほとんどない。

近年はSNSや本で海外の情報を以前よりも仕入れやすくなっている。自分もTwitterを利用しているが、大変便利である。しかし、そのようなSNSを利用しているのは学ぼうとしているコーチの方々。怒鳴るコーチ=自分が正しいと思っているコーチは、そもそも学ぶことをしない。

そんな厄介な「怒鳴るコーチ」を変えることはできないのか。

 

③怒鳴るコーチを変えるには

怒鳴るコーチを変えるには二つの方法がある。それは「自分が殻を破る」か「外から殻を破るか」。

 

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(1)自分が殻を破る

自分で殻を破るには、衝撃的な体験が必要だと考える。例えばそれが歴史的敗戦かもしれないし、選手からの異論かもしれない。ある体験をきっかけに自分の中で革命が起こり、自分の指導が間違っていたことに気づく。ただこの方法はあまり期待できない。なぜなら気づかないから怒鳴り続けてしまうのであって、気づくのであればすでに改善しているはずだ。だからこそ私は「外から殻を破る」方法をお勧めしたい。


(2)外から殻を破る

方法の一つが評価する存在をつくること。プロクラブなら強化部やテクニカルダイレクターがこの役割となるだろう。それらと同じように、コーチを評価する存在を各都道府県に配置するのはどうだろうか。

指導者講習会でいいのでは?と思うかもしれないがこれは効果があまりない。先日講習会に参加する機会があったのだが、そこに「怒鳴るコーチ」が参加していた。その方の指導実践をみると驚いたことにとても丁寧な口調で指導していた。このように講習会などでは、皮を被ることができてしまう。よって、日常の指導を評価する仕組みがあるといいのではないかと思う。しかしこれは大きなプロジェクトであるため、自分たちでアクションを起こすのが難しい。

自分たちで起こせるアクションとしては、保護者や選手が「コーチに意見を言う」こと。ありがたいことにTwitterでチームの現状について相談のメッセージをいただくことが増えたのだが、その際も「コーチにぶつかってみる」ことを勧める。

これには相当な勇気がいる。しかし、現状を変えるには行動するしかない。これを強く伝えたい。

 

④まとめ

都道府県のサッカー協会が動くことを期待しているといつまでも「怒鳴るコーチ」を変えることはできない。そして身の回りの環境を改善することもできない。

あらためて伝えたいのは、現状を変えるには行動するしかないということ。その力を人は持っている。そして自分自身も行動を起こし続けたい。未来の日本サッカーが少しでも良くなるように。

 

書き手

twitter.com

 

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

>>日本サッカーを開国せよ vol.3|先生でありコーチである教師の是非を問う 

>>日本サッカーを開国せよ vol.2|坊主廃止論-坊主は指導者の思考停止

>>日本サッカー育成年代で行われている理不尽な指導・根性論

 

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