子育てって難しいですよね。
学校で上手くやるには、協調性が必要だし、外に出て恥ずかしくないように「いい子」にしないといけない。
あるいは、スポーツの指導に携わる人であれば、強いチームにしたい、良い選手に育てたい。。
多くの場合、このように考えるものです。
しかしながら、「いい子とはなにか」「強いチームとはなにか」「良い選手とはなにか」をもっとしっかりと考えなければなりません。
更に、私たちは自分自身に問う必要があります。
大人の都合で育ててないか?この子の”やりたい”を育めているか?と
「子どもの心のコーチング」 という本にこんなことが書かれていました。
小学二年生のお子さんのいる母親からの相談を受けたという著者…
「お子さんは、自分が望んでいることをやっていますか? それとも、お母さんが望んでいるとおりにやろうとして頑張っているのでしょうか?」
その子が今ある状態を「うれしい」と思っていれば、死にたいなどと言うはずはありません。
しばらく話を聞いてわかったのは、母親自身が自分の上昇志向をもてあますことがあるということでした。
お母さんは、子どものころから親の言うことをよく聞き、よく勉強したそうです。いつも、もっともっとと、よりよいものを求めて生きてきました。子どもが生まれてからはその意識が子どもにも向き、いい子に育てたい、優秀な子に育てたいとあせりを感じることがある、と正直に話してくれました。
そして息子は、そんな親の気持ちにそって生きようとする子だったのです。
「あの子のためにと思ってやってきたのですが」
子どものために、という気持ちに偽りはありません。その気持ちが「愛」として伝わっていれば、息子は「死にたい」などとは言わないはずです。
彼は母親の思いどおりのいい子にはなれなくても、彼なりのいい子になることはできます。ところが、母親が自分の理想にそってヘルプしすぎると、目指すのは「彼なりのいい子」ではなく、「お母さんの望むいい子」になってしまうのです。
このようなケースって、結構多いと思うんです。
良かれと思ってやっていたことが、実は子供の自律を阻害していたなんてことが結構ザラにあるのが、子育てであり、教育だと思います。
「いい子」と呼ばれる子ほど、心配すべき理由
ジュニアのサッカーの現場でも、「いい子」と呼ばれる子は、逆にちょっと心配になることがあります。素直で従順な子ほど、何か問題を抱えていないかしっかりと親と話す必要があったりします。
また、ジュニアサッカーに限らないことですが、大会などに行けば、コーチの声にビクビクしながら、試合に集中できず、ベンチばかりをチラチラ確認する子供たちがいるチームがあります。
コーチの都合で子どもを操作してしまっている光景はいまでもかなり多いです。
そんなコーチは、従順で言う通りに動くを「いい子」と定義する傾向があります。
こんなことではサッカーの本質も伝わらず、自分の意思で生きていく力も育まれません。
私たちは学んでいかねばなりません。子どもの本質を知り、適切なアプローチをしていかなければならないのです。
「子どもの心のコーチング」 という本は、子育ての指南書であり、育成年代のスポーツ指導者にも強くおすすめしたい一冊です。
なぜなら、子供の心を知らないと指導はできないからです。また、親の気持ちを知ることもジュニア世代では大切なことだからです。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
【関連書籍】

子どもの「自立」を育てるスポーツコーチング ボトムアップ理論5ステップ
- 作者:畑 喜美夫/All Days Sports
- 出版社:池田書店
- 発売日: 2018年07月10日頃