大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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「不合理だらけの日本スポーツ界」不足しているのは、子どもに伝える力

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「どんな競技でも、どんなレベルでもいい。自分の愛すべき教え子に手を上げるような指導者が近くにいたとしたなら、問いただしてほしい。その行為は、自分が指導した結果に対するものであり、自分の指導者としての能力に向けて刃を振り下ろしていることになる。つまり、自分を傷つけている行為となんら変わりないことを。 さらに、教えてあげてほしい。神様が人間だけに与えてくれたと言っても過言ではない、コミュニケーション能力を駆使して解決する別の方法があることを。そして、それを磨くことが、指導者としてしなければいけない努力のうちの一つである」

「不合理だらけの日本スポーツ界」 という本の一節です。

 ジュニアスポーツの現場に行くと、コーチが子どもたちに過剰な指導をしている光景を目にすることがいまだに多くあります。試合に負けた後の罰走や、指導とは程遠い暴言、そんな不合理で不条理な指導から子どもたちを守らないといけないと思います。

この本は、育成指導の現場に違和感を感じる方にお勧めしたい一冊です。

不合理だらけの日本スポーツ界

不合理だらけの日本スポーツ界

  • 作者:河田 剛
  • 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2018年04月

日本の指導者に求められるのは、コミュニケーション能力

著書である河田さんのアメリカでのエピソードの一つがとても印象に残りました。

コーチ仲間のDJさんとの会話です。

DJ:日本のコーチは、プレイヤーがミスしたとき、またはしてはいけないことをしたときに、どうするんだ?

TK:言うのも恥ずかしいが、まだ手を出す指導者もいる (じーっと考え込むDJ。少なくとも 30 秒はあった)

DJ:同じ指導者として恥ずかしい!日本人のコーチには、言葉で言って聞かせるコミュニケーション能力がないのか?

TK:……( 返す言葉も見つからず、沈黙)

DJ:それじゃあ、犬や猫と一緒じゃないか!やつらは、自分の思い通りにいかないから、噛み付いたりひっかいたりするわけだろう?しかも、自分が指導した、愛すべきプレイヤーに手を上げるなんて……。理解できない。自分を傷つけているのと同じ行為だ。

 育成年代を長いこと見てきましたが、暴言や暴力をする指導者は例外なく言葉で伝える力が弱い印象があります。コーチや先生に指示されたことは無条件にやるという文化が後押しして、やりたい放題やる指導者もいますし、この文化が自分の指導の良し悪しを振り返ることの妨げになっているとも思います。

指導者に限らず、子どもの教育に関わる大人はコミュニケーション能力、伝える力を養う必要があると思います。子どもにどう言葉でコミュニケーションをとれば伝わるのかをもっともっと大切にする必要があるのではないでしょうか。これは私自身の課題でもあります。大切なことを伝える為に、伝える力を磨きたいと思っています。

子どもたちとコミュニケーションをとるときに参考になる一冊を紹介しておきます↓

子どものやる気を引き出す7つのしつもん

子どものやる気を引き出す7つのしつもん

  • 作者:藤代圭一
  • 出版社:旬報社
  • 発売日: 2017年04月

 

こちらの本もいずれご紹介できればと思います↓ 

世界のエリートが学んできた自分の考えを「伝える力」の授業

世界のエリートが学んできた自分の考えを「伝える力」の授業

  • 作者:狩野みき
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日: 2014年06月
東大物理学者が教える「伝える力」の鍛え方

東大物理学者が教える「伝える力」の鍛え方

  • 作者:上田正仁
  • 出版社:PHP研究所
  • 発売日: 2018年03月01日頃

 

keikun028.hatenadiary.jp