楽天大学学長の仲山進也さんの著書「組織にいながら、自由に働く。 仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除(+-×÷)の法則」がとても面白かった。
組織にいながら、自由に働くための方法論が記された本です。
会社で不自由を感じている方、もっと自由に働きたいと思っている方はもちろん、サッカーに携わる方にも非常に刺さる内容です。
本書の一部を抜粋してご紹介させていただきます。
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「変な人」になることからはじめる
「お客さんに喜ばれるのに、上司には評価されないこと」をやると、だいたい「あいつは変わっている」と言われます。こうなればしめたもの。
「変な人」という評価を受け入れてしまえば、やりたいことをやりやすくなるからです。
でも、多くの人は「変人と呼ばれる精神的コスト」に耐えられなくて、お客さんを捨ててまでも上司の評価を得られるほうに流されてしまいます。
ビジネスの世界もサッカーの世界も共通するのですが、私がこれまで会ってきた自由でオモシロイ人は「変な人」と一般的には呼ばれるような人です。
常識に捉われない発想と行動規範、独自の世界観があるのです。
普通とは違うから「変な人」と呼ばれるんですね。
スゴいのは他人とは違うやり方(自分なりのやり方)で成果を出してしまうことです。
まずは「変な人」を目指してみるのもオモシロイかもしれません。
ルールは自分で決める
ルールには2種類あります。
「他律」 と「自律」 です。 他律とは、「他人が決めたルール」。
「朝9時に出社して、 18時に退社する」「昼休みは 12 時から1時間」「業務以外のメール禁止、SNS禁止」「副業禁止」「捺印必須」などなど、よくあるやつです。
これらは基本的に「支配者が他者を統制・コントロールするためのルール」
自由に働くためには、会社のルール(他人が決めたルール)に縛られるのではなく、自分でルールを決める必要があるということです。仕事ができる人、成果をあげる人は皆、主体的に重要なタスクにプライオリティをつけ、どのように生産性を高めるかが大切だと言います。
サッカーが上手くなるための考え方も同じでしょう。
部活やクラブのルールに縛られてはいけません。
主体的に頭を使うことが重要なのです。
これは選手だけでなく当然先生、あるいはコーチも同様です。
他律と自律は、同じ「ルール」でもまったく意味合いが異なります。
「夢中ゾーンにいる時間を増やすための自分ルール」のつくり方がうまくなるほど、ルールにしばられることが少なくなっていきます。 他人が決めたルールの範囲内で自分ルールをつくる ことができれば、他律にしばられている感覚はなくなるのです
正解は一つではない
ルールのつくり方にも2種類あります。
「正解一択(こうしなければならない)型」 と、「OBライン(NG以外はオッケー)型」。 選択の自由がない「正解一択型」に対して、ゴルフのOBラインのようにそこを越えなければどこに打ってもよい自由があるのが「OBライン型」です。
「不安ゾーン」で苦しそうにしている人や「退屈ゾーン」でつまらなそうにしている人は、「正解一択型」ルールをつくるのが好きなように見えます。「夢中ゾーン」で楽しそうにしている人は、「正解一択型」ルールは使いません。自分に対しても他人に対しても、「OBライン型」のルールを使います。
学校では決まった答えを出すことは学べるけれど、正解が無数に存在する課題を解く術を学ぶ機会は少ないのです。しかし、本当に大切なのは自分自身で最適解を見出すことなんですね。社会人として仕事をしていると正解のない問題ばかりが出題されます。それを解決するための教科書は存在しないのです。自分で考えて答えを見出さなければいけません。
サッカーも同様です。
ピッチの上では自分で判断して、アクションを起こしていく必要があるのです。
「正解一択型」をゴルフにたとえるなら、フェアウェイのピンポイントを指して「ここに打ちなさい」という感じ。外すと怒られてやり直しです。そんなゴルフがあったらイヤすぎます。でも、実際の仕事のシーンでは「正解一択型」ルールがたくさんあります。なぜなのでしょう。おそらく、「OBライン」、すなわち「NGとオッケーを分ける価値基準」を考えて決めるのが面倒だからです。
よく人がやりたがらない面倒なことをやることが重要!と言いますが、「面倒なこと」をやることによってどう変わるのか?はしっかりと見極める必要があります。
人がやりたがらないことを全部やろうとするマッチョな人がいますが、しっかりと本質は見極めるべきです。
サッカーでも「よく走ること」「運動量」が評価指標の一つになりますが、「効率的に動く」 ことでそれら「面倒なこと」は不要になりうるということです。
自由に生きるために大切なのは「遊びの余地」
みんなが夢中で遊べるためのルールを考えるのって、意外と大変なのです。いろんな展開を想定して、不安にも退屈にもなりにくいようなルールをつくるには、 かなりの頭脳的コストがかかります。
だから手を抜こうと思ったら、「こうしなければならない」という正解一択型ルールをつくって守らせるほうが、つくるのもカンタンだし管理もしやすい。
でも、それによって自由が制限されることで、誰も自分で考えて行動しなくなります。
ルールを守るほうも、決められたことをやるほうが頭脳的コストがかからなくてラクなのです。
この状態を「効率」と呼ぶ人は、どんどん正解一択型ルールを増やしていって、遊びの余地をなくしていきます。
規則やルールでガチガチに固めてしまうと想像する余地、創造する余地が生まれにくくなります。
決められたことをやり続ける機械的な作業はもう人間がやる時代ではないのです。
現在はよりクリエイティブな人材、組織が求められています。
クリエイティブであるために大切なのは「遊びの余地」だということです。
「遊びの余地」は創造の余地でもあり、主体性を生み出すんですね。
サッカーも同様です。
サッカーはクリエイティブなゲームなのです。
ネイマールやメッシ、ロナウドは限られたルールの中で「遊びの余地」を見出し、それを表現しています。
サッカーも仕事も、自由になるために考える
主体的に楽しく生きていく上で大切なことは「自由になること」です。
サッカーも仕事も主体的に楽しくやるには「自由」を追求することが大切なのだと思います。
この本は自由に生きるための考え方、方法論が学べる一冊です。
ぜひ、多くの方に読んでいただきたい!
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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※漫画「ジャイアントキリング」を読んでいる方は本当に必読!