WEリーグがスタートし、女子サッカーの注目度が高まってきています。
近所の公園に行っても、女の子がボールを蹴っている光景も増えてきたように思います。
しかしながら、まだまだ問題はたくさんあります。
所属できる女子サッカーチームは少なく、近所の少年団でプレーする子は、大人のジェンダーバイアスによって苦しめられます。
私もコーチ時代何度も、差別的な発言を耳にしてきましたし、今でもジュニアサッカーの現場に行けば耳を疑う声が聞こえてきます。
「女なんかに抜かれんなよ!」
「女子に負けて悔しくないのか!」
ジャーナリストの島沢さんのハフポストで書かれた記事にもありますが、まだまだ現場はジェンダーバイアスに包まれてます。理解のある指導者は少ないのが現状だと思います。
「女なんかに負けるな」と怒声も。スポーツ指導者が、ジュニア世代に植え付ける女性蔑視や偏見 | ハフポスト NEWS
フットボールカルチャー雑誌「SHUKYU Magazine」で、女子サッカー選手の下山田さんのインタビューにこんなことが書かれていました。
サッカーは男性のものだと思われていましたけど、今も変わらないです。昨年まで小学生の女の子と男の子一人ずつにパーソナルでサッカーを教えていたんですよ。女の子は「男子になんでお前女なのにサッカーやってるのって言われる」と言っていて。
それは私も小学校3年生でサッカー始めた時に言われた言葉だったんですよね。20年くらい経ちましたけど、それでもまだ言われているんだと思って、けっこう震えました。
同時に、男の子のお母さんから連絡があって、同じ地区にすごく上手な女の子がいるんですけど、女の子に負けるのが嫌だから、男の子たちは手を抜くらしいんですよ。でも、私が教えていた子は、女とか男とか関係なく果敢に女の子に向かっていくし、初めてその子を抜いた時にすごく喜んでいたみたいで、親から見て成長したという話を聞いた時は嬉しかったです。
男子のスポーツだから女子に負けるのはかっこ悪い、という意識を取り払わないと上手くなれないとも思うので、そういう固定概念が弊害になることもあるんじゃないかと思いました。
女子サッカーがこれから発展していくことは、サッカー文化の醸成においてもとても重要なことだと思います。
サッカーがしたい女の子が、いつでも気軽にプレーできる環境があること。
そこに差別や偏見がないことで、健全に成長できること。
これらは当たり前のことにならないといけないと思います。
まだ、そうなっていないんです。
サッカーは年齢も、性別も、人種も本来関係なく楽しめるものです。
女だから、男だからという偏見をなくし、みんなで楽しめるサッカー文化を作っていきませんか。
育成年代の鐘離至上主義や、それを助長するトーナメント方式の大会、軍隊教育の延長にある教育文化、これらを少しづつ変えていかないといけません。
私たちの住む日本という国は、同調圧力が強く、過剰に周りの目を気にしてしまう文化があります。出る杭は打たれやすいです。声の大きい人に、権力のある人の声に弱いです。それがどんなに理不尽でも従わざるを得ないような雰囲気になります。
でも、私たちの意識は変えられます。そしておかしいことをおかしいということ。それを当たり前にしていくことも私たちはできるはずです。
自分の周りから少しづつ、一緒に変えていきましょう。
【女子サッカー・ジェンダー関連でおすすめしたい本】
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