ロシアW杯、日本代表は決勝トーナメントで優勝候補ベルギー代表に破れ大会を去った。
直前の監督交代もあり、予選敗退濃厚と言われていた予想を覆して決勝トーナメントへ進出し、強豪ベルギー相手に大健闘を見せた。
この経験を未来に繋げるべく、日本のサッカー文化を育むために私たちができることを考えたい。
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スペインでホペイロとして活動する「ほぺまゆ」さんの記事から一部を抜粋させていただきたい。
日本サッカーのレベル向上のキーとなるもの
日本サッカーの発展に重要なキーとなるのは、やはり国内の最高峰リーグ、Jリーグだ。まずはJリーグでレベルの高い戦いを繰り広げることで、選手のレベルアップを見込むことができる。Jリーグのレベルが上がることで世界からも注目されるようになり、日本サッカーが世界に認められる一歩に繋がっていく。そしてもう1つJリーグが重要なキーとなる理由が、日本にサッカー文化をもたらすという点だ。わたしたちが身近に出来ることは、このサッカー文化という点に隠されていると思う。
サッカー文化が根づくスペインで感じること
スペインではサッカーが文化として根づいているのを強く感じる。シーズン中となると、街のいたるところでサッカーの試合を目にすることができる。それはバルに設置されているテレビでもあれば、そこら中にあるサッカーグラウンドでもある。サッカーのリーグ戦が人々の生活に密着しているのだ。みんなそれぞれお気に入りのサッカークラブというものがあって、リーグ戦を観戦するのが当たり前ともいえる。ソシオと言われるクラブ会員になっている人はたくさんいて、年間シーズンシートを持っているため簡単に試合を観に行くことができる。スペインに住んでいて感じるのは、みんなチケットを買って試合を観に行くのではなく、ソシオの会員になっている人からチケットを譲ってもらい観に行くというケースが多い。現地のスペイン人からすると、「わざわざチケットを買って観に行くなんて…」という感じさえ伺える。それよりも、「誰かソシオになっている知り合いがいるだろう」という感じだ。チケットを買って観に行くのは観光客ばかり。そのくらい現地のスペイン人はソシオになっている人が多いのだ。スタジアムに足を運べないという人でも、家でリーグ戦が観られるようチャンネル契約している人はたくさんいる。そしてみんなリーグ戦の試合結果や順位などはきちんと把握している。ラ・リーガが生活に密着しているんだとつくづく思わされる。
日本サッカーのために、わたしたちが身近に出来ることとは
すぐにできること、つまりJリーグの試合を観に行ってみよう。まずは興味本位でもいい。休日はすることがないから、という暇つぶし程度でもいい。好きなあの子をデートに誘う口実でもいい。まずは近くにあるスタジアムに足を運んで、サッカーの試合を生で見るという経験をしてみてほしい。そこにはテレビの前では感じ取れない興奮や熱狂があるはずだ。周りにいる人たちとの一体感というものを感じることもできるだろう。きっと少なからずスポーツのもつ魅力が伝わってくるに違いない。一度スタジアムに足を運びプレーを見てみると、多少なりサッカーに親近感が湧くのではないだろうか。家に帰ってスポーツ番組を見てみると、今日観た試合のダイジェストが放送されているかもしれない。この試合を生で観たんだという興奮や、イケメンな選手を間近で観られたという喜びがいい想い出に変わる。サッカーに詳しくない、という人でも大丈夫。
昨年、バルセロナを旅した時 、まさに「ほぺまゆ」さんの言うようにスペインにサッカー文化が根付いているのを感じました。テレビをつければあらゆるカテゴリのサッカーが放送され、街へ出てもサッカーが放送されているバルを何件も見かけました。
Jリーグを盛り上げることはサッカー文化を育む上でとても大切なことなのです。
本当にそう! いくつかスペインリーグを観に行きましたが、本当にサッカーしかしないんです。周辺飲み屋ばかりだし。ダフ屋もいて、ちょっと危険だし。
— 浦川たろう@マドリード🇪🇸 (@v_varentaro) 2018年7月3日
その代わりJリーグは、グルメやイベントがあるので楽しいです◎ マスコットとの触れ合いや地域住民の方と交流もできますよ🙂#Jリーグを観に行こう https://t.co/lCZhpfwYXD
W杯でサッカーに興味を持ったみなさん〜!!
— 名久井梨香 (@nakuirika) 2018年7月3日
活躍した海外組も、元々はJリーガー。だからJリーグを観ていれば、W杯で活躍する未来のスターの成長っぷりもわかりますよ!
それに、サポーターになれば、このワクワク&ドキドキが、ほぼ毎週味わえるんですよ!#Jリーグを観に行こう
多分、今日の負けで色々な人が感じたと思う。W杯で勝つには「サッカーが文化になっている国にならないといけない」と。ベルギーの人口は日本の約10分の1の1100万人。それでもあれだけの選手が生まれる。
— Takanori Osawa (@Takanori1330) 2018年7月3日
必ずしもJリーグを見てくださいとは言わないが国をあげてサッカーに取り組む環境を変えてほしい
もう一つご紹介したい記事がこちら↓
サッカーライターの清水さんの記事です。
サッカーとは単なるスポーツの枠を超えて、人間の生き方や人間関係、社会構造を映す鏡
例えば日本で社会問題化している体罰も、他国の少年サッカーの現場を見ることで、問題の根っこがどこにあるかわかる。
「スペインでは、少年サッカーで、子どもたちは練習内容に納得がいかなかったら、ボイコットしたりします。大人たちにその練習の内容、目的を説明させて自分達が納得しなかったらもうやらない、と。なので指導者は子供たちを納得させるような説得力のある伝え方、メニューを用意しなければならない。指導者の方が1回1回試される。そんななかに体罰なんてどうやって入り込む余地があるんだと。
そう考えると日本のスポーツ指導の現場で体罰が起こるのは単なる指導者の怠慢、指導力のなさ故なんだと気づくんです。先ほどのスペインの子供たちの例で言えば、彼らがボイコットができるのは、それをしても他のチームに行けるからなんですよね。そういう受け入れ先が日本にはない。部活しかない。そして辞めた後に他の学校でサッカー部に入ったとしても、決まりで一定期間試合に出場できなかったりする。そういうものに縛られているせいで、3年間クローズドの環境で指導者の横暴が成り立ってしまう。そういう体罰の問題もサッカーをテキストにして、ちょっと違う見方をするだけで見えてくるんです」
色んな人にサッカーの魅力を届ける
「書くたびに新しい読者に届けようと思っていて。例えばこういう書き方をすれば40代の管理職に刺さるな、今就職活動中の人に刺さるなと。どういう角度から拾っていくかは結構考えたりしていますね」
排他的な“サッカームラ”だけに刺さるものではいけない。日本では、今回のようにW杯の代表戦のときは観るというライトファンと、普段からJリーグや海外サッカーを追っているコアなファンがいて、両者の間には大きな壁がある。「(コアファンがサークルを作るのは)悪いわけじゃないんですけど、それがムラ化してほしくないなって。そこの壁はとっぱらいたいと思っているんですが、現実は全然そうなっていない。そこに一番無力を感じますね。『私サッカー詳しくないんで…』と遠慮してしまう人がすごく多い。そこはもっとなんとかしたいなって思っているところです。
でも自分の場合、記事を書いていて意外な人に刺さったりするんですよ。面白い監督のエピソードがIT企業の営業をやっているビジネスマンに刺さったり。自分が置かれている特殊な状況に刺さるテーマというのはやっぱりあって。だから“ふくらみ”のある書き方をしていかないとと思っています」
サッカーの魅力を伝えるべき我々サッカーを愛する人間が、色んな人に魅力を届ける工夫をすることはとても重要だ。
指導者はレベルを上げなければならないし、SNSで情報発信するときもムラを作らないように意識する必要があるのだと思います。
誰もが楽しめるサッカーの魅力をどう伝えていくかはサッカー文化を育んでいく上で私たちに求められていることなのだと思います。
国内リーグであるJリーグを盛り上げること。
サッカーの魅力をわかりやすく、様々な人たちに伝わるように発信していくこと。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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