大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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【セルジオ越後の子育つ論】「自分はこう育てられたから」「世間はみなそうしてるから」で本当に良いの?

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セルジオ越後の『子育つ論』という本は日本のサッカー指導者にとってバイブルになるのではないかと思っている。いや、子供に関わるすべての人にオススメしたい。

セルジオさんが全国の子どもたち、親御さんを長年見てきて感じることを書き綴った本書は日本の教育の問題点、これからの教育におけるヒントが満載です。

内容の一部を抜粋してご紹介します。

「自分はこう育てられたから」「世間はみなそうしてるから」で本当に良いの?

考えてみると、今の教育には、無味乾燥、無意味な部分がたくさんあります。教育は、親自身の自己満足ではないはずですが、「自分もこう言われてそだったから」「世間がみなそうしているから」と、親自身すら吟味していないことまで、子どもに口うるさく講釈してしまうことが、どうも多いように感じます。まるで、今の教育は舞台俳優にセリフを教えているようなものです。勉強しろとか、今日のことを明日に残すなとか、ご飯は全部食べろとか、私たちは親からいつも言われていました。その意味も必要性も吟味せず、ただ機械的に、自分も親から言われたからと、子どもに繰り返しているだけ。

もちろんこれは自分自身も気をつけなければならないことであるのだけれど、大人が子供へ投げかける言葉の多くは、発する言葉がもたらす影響が吟味されていないと感じる。周りと同じじゃないといけないと思い込まされがちな日本社会にセルジオさんの言葉は深く突き刺さる。強烈な同調圧力によって、どうしても個人を尊重することをないがしろにされてしまう日本社会へのメッセージになると思います。

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子どもの世界を尊重しなければならない

「最近子どもたちが外で遊ばなくなった。家でテレビの前に座りっきりで」と、親は文句を言います。ところが外に出かけるときは、「宿題もしないで、どこに行くんだ」と怒られる。子どもも大変です。外に行っても、「路地で遊ぶな。公園へ行け」と、よそのおばさんに怒られる。公園へ行くと、「危険だから、ここでサッカーをしないこと。」まるで、禁煙の立て札にきゅうきゅうとするお父さんみたいです。大人は子どもがどうしてテレビゲームばかりしているかわかっていない。遊ぶ場所がない、遊び相手がいないことをわかってあげない。

子どものことを理解しようとすることなのだと思います。

大人の都合に縛られている子どもたちの世界を尊重することが大事なのだとセルジオさんは教えてくれました。

以前ご紹介した記事ではこんな言葉が印象的でした。

「ほうっておかれた」ことは、今思うと最高のプレゼントでした。

セルジオ越後の教育論創造教育のカギはスペースを与えること。放っておかれたことは、今思うと最高のプレゼントだった」

 

子どもは、大人とは別の基準、別の速度で生きていることを知ってほしい、ということなんです。子どもたちは、大人とは別の世界を厳然と持って生きているんです。世の中がいくら変わっても、子どもたちが成長していくには、昔と同じだけの時間がかかるということです

セルジオ越後さんに学ぶサッカーの本質 〜子どものリズム、世界を尊重すること〜 

 

最後にこんな漫画をご紹介したい。

鉄コン筋クリート』『ピンポン』などの大ヒット作家である松本大洋さんの漫画です。

松本大洋が到達した少年期作品の金字塔。

星の子学園――様々な事情を持つ子供たちが、親と離れて暮らす場所。陽光が燦々と降り注ぐ園の片隅に放置されたポンコツサニー。其処は彼らの遊び場であり、彼らの教室だった。『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『GOGOモンスター』――未来、スポーツ、異界…あらゆる世界で、その体と心を躍動させる少年たちを描き続けてきた松本大洋が、自らの少年期に思いをはせつつ、その最高峰を目指す渾身の作品。

  

子どもたちの世界観が見事に描かれている素敵な作品です。

ぜひ、読んでみてください。 

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…