私は異国の地を旅する経験を通じて多くの学びを得ることができました。
日本を離れたことで日本の良さも、悪さも知ることができたのです。
そしてそれはサッカーというゲームにも同じことが言えます。
外に出ないと日本の良さも悪さもわからないのです。
サッカーの本質を追求するにあたって異国の地で醸成されているサッカー文化を知ることはとても大切なことです。
そこで当ブログの企画のひとつとして異国の地でプレーする日本人選手を特集します。
彼らは何を感じ、何を想い、なぜ異国の地でサッカーをするのかを知ってもらいたい。
そしてきっと、海外で挑戦する彼らを知ることで多くの若いサッカー小僧たちの世界観が広がると思います。
今回は海外リーガー特集第一回ということでイタリアで挑戦する佐藤 靖晟(さとうのぶあき)選手(19歳)にお話を聴きました。
日本時間22時、イタリアは15時頃… 何度も時間の調整を重ねながら実現した今回の取材はなんとFacebook通話で行いました。
約1時間半、カルチョの本質を、熱い想いをたっぷり聴きましたのでお楽しみ下さい。
プレーしている国とポジションはどこですか?
イタリアでプレーしてます。
今はエンポリ公式アカデミーのISMアカデミーに所属。
夏に正式にチームが決まります。
ポジションはウイング、セカンドトップです。
イタリアはどんな国ですか?
一言では表現しきれないですね(笑)
陽気な人が多くて、すごくラテン的だと思います。
街歩いてて知らない人が良く話しかけてくるんですよ。
驚いたのは子供がよく声かけてくることです。
「どこからきたの?」「どこいくの?」「何のお仕事してるの?」って
日本だと親が「知らない人に声かけちゃダメよ」って言うじゃないですか。
でも、イタリア人は見知らぬ人に声をかけてる子供と僕をニコニコしながら見守ってるんですよね。
なぜイタリアを選んだんですか?
イタリアを選んだ理由はラテンな雰囲気のイメージがあって、う〜ん。
私:ラテンでヨーロッパっていったらスペインとかポルトガルとかもあるじゃない?でもイタリアを選んだ理由がなにかあるのかな?
綺麗なサッカーじゃなくて泥臭さがあるところが良いんですよ。
イタリアで感じる日本サッカーとの違いは?
イタリアは守備のルールは徹底しますね。
攻撃は個性をちゃんと表現できなければ評価されないです。僕が日本で経験したのは個性を消してみんなに合わせなきゃ評価されない環境だったので今はとてもチャレンジが楽しいです。
その分、自分の強味をしっかり表現できなければ蹴落とされてしまうので厳しいですが。
あと、FWは典型的な9番が評価されます。点を取ることだけが仕事で他は何もしなくても良い空気があります。
僕はウイングをやることが多いんですが、内にしぼるとかなり怒られます。
攻撃の幅をもたせる為にボールがこなくても待ってろってことなんですよね。
あとは、みんなでがんばろうじゃなくて、ひとりひとりの特徴、力を出すことが求められます。チーム力なんてその先にあるんだという感じですね。
本当に特徴のある個性的な選手ばかりで、平均的な選手がいないです。あとは監督やコーチが熱くて、褒めますね。
ひとりひとりの特徴を出すこと… カルチョの本質はここにもある。
イタリアのコーチは選手の本質をカルチョの本質を見ようとする
イタリアのコーチたちの多くは、感情的でありながらも一つ一つのプレーの本質をちゃんと見ている印象があります。素晴らしいプレーをしたら「ブラビッシモ!!」と盛り上げてくれます。
悪いプレーにはもちろん怒鳴られることもありますが、どこがどのように悪かったのかしっかり説明してくれます。その説明がやはり的確でサッカー知ってる国だなと思うことが多いです。そしてそれを言うタイミングですね。選手の精神的な状態やコンディションまでしっかり見ながら声をかける。
ここが日本とは一番違うところかなと。
日本では怒られても、なぜ怒られてるのか納得できなかったり、選手の状態なんて考慮せずにコーチの言いたいことをその人のタイミングで言うというのが多かったように思います。
確かに日本の多くの指導者にはサッカーの本質の理解と、選手の本質の理解が足りてないように感じているのだけれど、まさにこういう場面で顕著に出てしまうんですね。
プレーする上で意識していることは?
まずはゴールです。
前線の選手としてゴール以上の価値はありません。
他に細かいところでいうと、相手の逆をつくことです。
ボールを持っている時もボールがないところでも相手の逆をつくことは常に意識してますね。
あとは気配を消す事ですね。
ボールを呼ぶな!!
試合中にボールが欲しくて「へい!出せ!」って呼んだんです。
そしたら「ボールを呼ぶな!相手にバレるだろ!身体で呼びこめ!動き出しで呼びこめ!それを仲間に伝えろ!」と言われたんです。
これはとても勉強になりました。
日本ではボールを欲しがる子が少ないから、コーチが子供に「呼べ!アピールしろ!」ってよく言うけれど、本当はそれじゃダメなんです。
自分の気持ちを表現すること
私は佐藤選手の話を聞いていて、とても大切なことに気がつきました。
彼が異国の地で受け取っていることは、「人としての在り方に自由を感じていること」なのだと思いました。
イタリアで感じていることをこんな風に話してくれました。
イタリア人をみていると、自分が親切にしたいからする。
相手の気持ちを察するものじゃない。
人は何を考えてるかわからないという前提があってコミュニケーションが行われているような感じがするんです。
みんなが個性的。だから自分の意見を主張するが自然という感じなんです。それってサッカーだけじゃなく、とても大切なことだと思うんです。
ペルージャのチェントロの風景
チェントロの丘から
ベネチアの美しい風景
佐藤選手のブログ
areglianobu.hatenablog.com
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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