大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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私の人生を変えた5冊の本  〜人生は捨てたもんじゃない〜  

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 私は大学生になるまで本当にサッカーだけの男だった。大学時代に本を読むことの素晴らしさを知ることができなかったら本当に悲惨な人生を送ることになったのではないかと思う。それまで勉強など主体的にやったことはなかったし面白いともちっとも思わなかった。私にとって本を読むことは世界を知ることであったし、想像性を育むことであったし、なにより人生を主体的に生きるためのきっかけになった。

 

今回は私の人生を変えた5冊の本をご紹介させて頂きます。

 

 

ワイルド・ソウル 〜垣根涼介〜

政府に騙されてブラジルに移民として送られ、壮絶な人生を歩む…実話にもとづいた話

ワイルド・ソウル 上

ワイルド・ソウル 上

  • 作者:垣根 涼介
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2009年11月01日頃

生きることの本質を伝えてくれた本 

「世の中には二種類の人間しかいない」、分っている人間と分っていない人間。目に見えている世界の表層だけをなぞる人間と、その表層の集合体から本質を見極めようとする人間だ。

表層だけをなぞる人間でも、世間並みの成功は収めることができる。事象のみを捉え、その対処法を経験値として蓄積していく。そして、その経験値を元に未来に対処してゆく。少し聡い人間なら誰でもやっていることだ。だが、あくまでも意識はその表層レベルにいる。いわば処世術に過ぎない。それでは本当に分っているとはいえない。住む世界や国が変わり、就く仕事が変われば、それまでの話だ。以前の対処法は通用しない。が、その表層の集合体から物事の理を導こうとする者は、違う世界でも生き残ってゆく。」

 この本を読んで何度も何度も感情が揺さぶられた。”生きる”ということの本質を考えさせられる物語。どんな困難に直面していても必ず勇気をもらえる。私はこの本を読んだおかげでとても困難な時期を乗り越えられることができた。

 

【こんな人におすすめ】

・なにかにチャレンジする人

・本当にあった壮絶な人生物語を読みたい人

・南米が好きな人

 

旅へ  〜野田知佑〜

私が一人旅に出るきっかけになった本

旅へ

旅へ

  • 作者:野田 知佑
  • 出版社:ポプラ社
  • 発売日: 2015年01月02日頃

 沢木耕太郎さんの深夜特急も当時好きでよく読んでいたけれど、私は野田知佑さんのこの本の方がインスパイアされたのでした。この本を読んですぐ私はバックパックを背負い有明から船で旅に出た。その船旅は徳島経由で福岡の門司港まで行き、そこからヒッチハイクと夜行バスで九州を周り、行く先々でサッカーをし、友達をつくって家に泊めてもらい、また移動して、たまに野宿して、また移動して、辿り着いたのは屋久島で、縄文杉を見に山に登り、山小屋に何泊かしたり、帰りは数日かけて鈍行列車で帰郷。人生も捨てたもんじゃないという強烈な経験ができた旅だった。すべては本を読んで始まった。

【こんな人におすすめ】

・旅したい人

・生きることに苦しんでいる人

 

風の歌を聴け 〜村上春樹〜

この本を読んでから表現は創造できるということを知った。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

風の歌を聴け

風の歌を聴け

  • 作者:村上 春樹
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2004年09月

数ある村上春樹の本の中で私はこれが一番好きだ。

綴られた言葉の数々が天衣無縫で自由な世界を想像させてくれる。小説に描かれている人間やそのストーリーは哲学的で情緒的で既成概念から自由にしてくれる。

この本には人間の魅力が描かれおり、魅力ある人生観が描かれている。美しさとは正しさの中にあるのではなく、ユーモアとユニークの調和の中にあるのだということを知ることができた。人生は自由なのであるということを知った時、サッカーも自由なのであると言えるようになった。

 

【こんな人におすすめ】

・人生がつまらないと感じている人

・自由で独特な世界観が好きな人

 

人間の土地 〜サン=テグジュペリ〜

愛する人に無理やりにでも読ませたい本

「経験は僕らに教えてくれる、愛するということは、お互いに顔を見あうことではなくて、一緒に同じ方向を見ることだと」

人間の土地

人間の土地

  • 作者:サン=テグジュペリ
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2012年12月

 

「人間と、そのさまざまな欲求を理解するためには、人間を、そのもつ本質的なものによって知るためには、諸君の本然の明らかな相違を、お互いに対立させあってはいけない」

 いまやっとこの言葉の意味がわかるような気がする。

人間は矛盾に満ちている。正しさにまみれて汚れた人間が大量にいる。

正しさに支配されて不幸な人間が大量にいる。よりシステマチックな現代社会は内面よりも表層を装うことに重点をおく。ほとんどの人が人間の本質を見失い、自分の幸せを見失っている。この本は”生きることの本質”を伝えてくれる。

ガゼルは気楽で安全な人間の柵からの脱出を試みる。一見リスキーでバカらしく思えるが、ガゼルにとっては自然の中を走り回り、踊ることが彼の本然であり、生の目的である。それによって彼の生(死)は完成するのだ。たとえライオンに食われることになってもそれは本望である。むしろ価値のある生を全うできたと誇りを持って死ねる。   

本然のためなら生命はその命を捨てられる。あらゆる冒険は世界を再認識するために必要な作業なのだ。生命、人間を繋ぐたったひとつの目的のために生は存在する。争いは馬鹿げている。個々人の本然の追求が重要なのだ。人類としては同じ方向性なのだから、違いを認めるべきなのだ。

 

【こんな人におすすめ】

・生きることの本質を知りたい人

・自分の芯を育みたい人

 

デミアン  〜ヘルマンヘッセ〜

見えている世界がすべてではないということを知るきっかけになった本

感覚を刺激する一冊

大部分の人たちが行く道は楽だが、僕たちの道は苦しい。――でも、行こうじゃないか。

デミアン

デミアン

  • 作者:ヘルマン・ヘッセ
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2007年05月

僕は、僕の内部からひとりでに出てこようとするものだけを、生きてみようとしたにすぎない。 それがなぜ、あれほど難しかったのだろうか。

  

 我々がある人間を憎む場合、我々はただ彼の姿を借りて、我々の内部にある何者かを憎んでいるのである。 自分自身の中にないものなんか、我々を興奮させはしないものだ。

この本はまさに私を救ってくれた。

当時、私ははじめて社会人として会社勤めをし始めたところだった。社会人になって早々に、私は社会不適合であることを自覚し始めていた。周りにうまく合わせることができない、一生懸命愛想笑いをしてその場を取り繕うのだが、心をすり減らす毎日だった。自分を殺し周囲に溶け込むことに専念する日々に、だんだんと生きてる実感など得られなくなった。そんな時にこの本と出会った。

内証の時間を持つこと。

自分は自分のままで良いということ。

別に溶け込まなくても良いということ。

自分は自分なんだし、無理に合わせる必要はない。そのスタンスで気に入られなきゃ別にそれでもいい。そう思うようになってかなり生きやすくなった。私はこれらの本に生かされている。

 

【こんな人におすすめ】

・同調圧力に負けそうな人

・自分らしく生きたい人

・道に迷っている人

 

私たちは主体的に生きなければならない。

本は私に人生に主体性を持たせてくれた。

本は私に多くの世界を想像させてくれた。

本は私に創造することの喜びを与えてくれた。

 

サッカーも人生も自分で描いていくものだ。何度失敗しても絵の具で汚れても良い。何度でも描きなおせば良い。思うままに生きればいい。何度でも生きればいい。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

keikun028.hatenadiary.jp