本気で戦うということ
バルセロナ時代のペップ・グアルディオラ監督にフォーカスした映像がとても面白いので紹介したい。
目まぐるしく変化する試合の中で選手たちに、自分のゲームプランを身体のすべてを使って表現するその姿が凄まじい。グアルディオラは感情を惜しげも無く表現する。俺はこうしたいんだ。だから理解してくれ!ピッチで表現してくれ!という想いを選手にぶつける。その姿が選手の心を動かすのだろう。
下の映像の1:48~ FWのアレクシス・サンチェスが怪我をした時のグアルディオラの反応を見てほしい。
グアルディオラはこう言った。
「La concha de mi madre pa mi Alex! 90 minutos! Usa la cabeza!」
直訳するとこんな感じ(多分)
「アレクシスふざけんな!試合は90分だ!頭使え!」
もっと分かりやすく訳すと
「頭使って90分戦える身体を作れ!」
怪我はプロとしての自己管理ができてない証拠だ。そう言っている。
グアルディオラは常に本気でサッカーと向き合い、選手と向き合っている。
その集中力が、情熱が、チームを創っている。
ペップの狂気的な愛情表現
バイエルンでもグアルディオラの情熱は変わらない。
試合後にすごい勢いで21歳の若手のヨシュア・キミッヒに何かを伝えている。
グアルディオラはキミッヒのことを「ほとんど自分の息子」とまで言うほど気にかけている選手のようである。それにしてもここまで熱く選手に想いを伝える指導者を私は見たことがない。本気で伝えること。本気で想いをさらけ出すとはこういうことなのだろう。どうしても伝えたい大切なことがグアルディオラにはあるのだろう。
本気で本音で本心でぶつかるからこそ心から分かり合える存在になれる
選手の心を引き出す為に、彼はまず自分の思考のすべてをぶつけているように見える。 「なぜだ!なぜお前は自分を出し切らないんだ!ピッチでお前のすべてを出せないのならそこにいる意味がないじゃないか!もっと自分を表現しろ!」 選手たちひとりひとりにそんなことを言っているのではないか。(勝手な妄想) グアルディオラの魅力は圧倒的な表現力だ。グアルディオラ自らが想いのすべてを出しているからこそ、選手もすべてを出すことができるのだと思う。
心から信頼するということ
敗戦が続いても、私が監督である以上、選手たちへの信頼はまったく変わることはない。彼らは一生懸命に走り、日々勝利のために努力している。毎日彼らを見ているからこそ、選手たちを心から信頼している
選手の本質を日々、トレーニングの中で見ているのだ。選手は試合に勝つために戦うマシーンじゃない。それぞれがそれぞれの想いがあり、感性があり、特性がある。それぞれの心を見ることがなにより先なのだ。選手の本質をみることなしに信頼することはできないし信頼されることもない。
誰になんと言われようが選手たちに対する信頼は不変だ
監督として、選手たちのトレーニングに取り組む姿勢を毎日見ていると、そう感じざるを得ない。もし他人がこのチームに疑問を抱いたとしても、私の選手たちに対する信頼は不変だ
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
- 作者:レナート・バルディ/片野道郎
- 出版社:ソル・メディア
- 発売日: 2020年07月29日