強いリーダーは空気のような存在
メジャーリーグで活躍するイチロー選手とトヨタ自動車の豊田社長の対談がとても面白かったので紹介したい。リーダーとしての”在り方”、この考え方がとてもわかりやすく腑に落ちた。リーダーとしての”在り方”を模索している人は必見だ。
豊「リーダーは危機のときは前に出ますが、そうでないときは空気のような存在が理想。いなくなると困るけれど、いても別に何とも思わない。ところが、世の中の“リーダー論”では、「なんでも知っている」「なんでも自分が指示を出す」ということが語られがち。そういうのは少し違う」
イ「強いリーダーというのは、実はそれほど効力を発揮しない。」
豊「チームワークはあるけれど、そうは言っても野球は個々の能力が第一。それが結果としてチームワークになる。」
イ「そうなんです。でも、それを分かってない人たちばかりなんです。」
「チームの為に!」なんて言わなくて良い
イ 「分かりやすく言えば、一般的に「俺は自分のためにプレーしている」と言うと、チームの輪を乱していると受けとられる。ただ、そういう人が集まったとしても目指すところが同じであれば何の問題もない。というより、それが一番強いと思うんです。目指しているところが違うとややこしくなりますが、最終到達地点が同じならそれでいい。」
チームの為に自分を殺すことは馬鹿げている
チームワークの本質ってこういうことなんじゃないかなって感じたんです。日本人はとてもチームワークを大切にする人種だと思うんです。学校でも会社でも、自分を犠牲にして他者を尊重することが美しいという価値観がある。それが常識となっている。当たり前のこととみなされている。実際これは素晴らしいことだとも思う。しかし、問題なのはこの価値観が過剰に尊重されすぎていることなのだと思う。
勝敗が決するものにおいて、それがチームで取り組むものであるのならばチームとして機能させていく必要が出てくる。そこに我々日本人の美徳である”自己犠牲の精神”は時としてマイナスに働く。
サッカーは自分を表現することが大切なんだと何度も何度もこのブログで発してきた。
つまりチームの為に自分を殺していたら勝てないよと。チームの為に自分の個性を燻らせていたら面白くないよと言うことなんです。自分を殺してサッカーなんかしたって楽しくないじゃないか。大切なのは、どうしたら自分が最高に楽しめる表現がチームの中でできるかということを考えることだ。指導者ならそれを見てあげることだ。
チームの為にそれぞれの個性を調和させることが大切なのだ
チームの為にひとりひとりの個性を抑制しなければならないという考え方は馬鹿げている。
チームの為にひとりひとりの個性を表現させねばならないのである。
チームの為にそれぞれの個性を調和させることが大切なのである。
だからこそ、柔らかくしておかなければならないのだ。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…

- 作者:石田 雄太
- 出版社:文藝春秋
- 発売日: 2019年08月28日頃