聖和学園 対 野洲、キックオフ
楽しみにしていたこの一戦、唯一の予備知識は野洲の伝説のコーチ岩谷さんの言葉だけ、「野洲は聖和の良さを消すサッカーをすると思う。どうなるかわからんけど野洲が勝ったとしても、聖和にみせつけられる感じになるんちゃうかと思う。」この言葉のとうり、野洲は開始早々から速くボールを前に運ぶサッカーを展開する。
早い展開で先手を取りたい気持ちが全面に出ていたように思う。
対する聖和はボールを持つとゆっくりと、じっくりとまず目の前の相手を料理していく。いつもどうり淡々と自分たちのサッカーをしている印象だったのだけれど、最終ラインの子らまでもドリブルでスイスイ相手を抜いていく様はやはり異様だった。
野洲は聖和のそのスタイルを想定して前の方で勝負のポイントを作りたかったんだろう。
— KEI 助走の2017 (@Keivivito) 2015年12月31日
しかし、野洲は最初の数回の球際の駆け引きで完全に聖和に負けてしまった。これが命運を分けてしまった。聖和の裏を取るための戦術が逆に裏目に出てしまった。
前へ前へ、早く速く!という戦術が、その気持ちが目の前の相手との駆け引きに集中しきれなかったのではないか。そんな気がしている。
ボールを持たせたら絶対とられないという圧倒的な自信
聖和はどのポジションでも圧倒的にボールを持てる自信がある。野洲は今のところどのポジションでも狭い球際の駆け引きで後手、で0-3
— KEI 助走の2017 (@Keivivito) 2015年12月31日
表現が適切かどうかはわからないのだけれど、思ったことを言ってしまうと、狭いところを徹底して攻める聖和から、野洲は逃げるカタチになってしまった。聖和は野洲に真っ向から自分たちのスタイルを自信をもって貫き球際を、狭いところを攻め抜くという、そこに全力で集中しきった。信じられないことに気がついたら3点差がついていた。
https://twitter.com/kknt5/status/682452922823659524
後半、野洲はいつもどうり自分たちのサッカーをやるようになった。
ボールを持たれ続け、球際を圧倒され続けた前半よりも目の前の相手との駆け引きに集中できるようになっていた。そしてチャンスをつくれるようになった。サッカーは相手との”駆け引き”なのだ。選手個人も監督が決定する戦術も。ハマる時もあればハマらない時もある。ハマっても勝てない時もある。ハマらなくても勝てる時がある。それがサッカーだ。必ずしも強いチームが勝てるとは限らない。だから面白い。野洲は聖和相手に勝つために最善を尽くした。もっとできた。もっとやれたかもしれない。でも野洲の良さも存分に出ていたよ。
野洲と聖和
— KEI 助走の2017 (@Keivivito) 2015年12月31日
試合は面白いんだけど、周囲のサッカー知ったかぶりの人間のノイズが酷かった。「ほら、歩くようにやっとる。」「全部逆とってるもんね〜」とか大きめの声でほんとにいらん。
選手の魅力がみえない人間はサッカーの本質もみえない
野洲の10番と聖和の10番を比べて前者をダメだと決めつけるサッカー関係者の声が頻繁に聞こえた。私は野洲の10番の魅力も存分に見ることができたのだが、見えなかったのだろうか。選手の魅力が見えない人間にサッカーを語る資格はないのである。サッカーに携わる資格などないのである。ピッチで選手たちが何を表現しようとしているか、彼らのプレーをみてなにも感じない人間を目にすると寂しい気持ちになる。
テクニックが大事。技術技術。こだわってます!って言ってる大人のどれだけの人がサッカーの本質を理解しているのだろうか。プレーするのは人なんですよ。そいつの表現が人を感動させる。人を感動させるものは技術でもテクニックでもないんだよ。それがわからない人間にサッカーを語る資格はない。
聖和の本当の試練はこれから
https://twitter.com/manyo1012/status/682462857867333632
点差ほどの差はないだろう。実力は拮抗している。
聖和が際立った試合だったけれど、野洲が良い相手だったから聖和の良さが引きたったのだと思う。お互いに本当の技術とテクニックにこだわり抜くスタイル。
サッカーで一番面白い球際の勝負、駆け引きを追求した最高のチーム同士の素晴らしいゲームだった。
聖和はタイプの違う強豪校をチンチンに凌駕できてはじめて価値になる。上手い。面白いだけで終わったらいかんのだよ。
— KEI 助走の2017 (@Keivivito) 2015年12月31日
聖和の本当の挑戦はここからだろう。青森山田は完成度の高い良いチームだ。フィジカルもテクニックもある強い相手にどれだけ魅せられるか。
聖和はサッカーの本質を伝えてくれる。多くの人に良いインパクトを与える。サッカーの常識を壊すかもしれない。だからこそ、ここで止まってはいけない。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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