大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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小さなバルデラマが魅せる”球際の感情表現”〜バルサU-12〜

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ジュニアサッカーワールドチャレンジ準決勝 〜バルサU-12 vs 東京U-12〜

バルサの本気が観たくて早起きして西が丘まで足を運んだ。

選手入場前にバルサの様子を見ていると、すでに試合に向かう前の儀式は始まっていた。小さな選手たちはお互いを鼓舞しながら握手とハグを繰り返しトップチームさながらの儀式を行っていた。東京U-12の選手たちはその様子をじっと眺めていた。このような世界のトップの空気を感じる機会は素晴らしいと思う。ビビらずに存分に戦いを楽しんでほしいと思った。

 

噂のバルサU-12の8番小さなバルデラマことチャビ・シモンズ

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立ち上がりから東京U-12はきっちり守ってバルサの背後をシンプルに狙うという意図がみえた。対するバルサはボールを繋ぎながら突破口を探る。いつもトップチームが見せるゲーム展開だ。

両チームの中でひときわ小さく、ひときわ存在感のある選手。それは紛れもなくバルサの8番だった。パッと見ると明らかに小さい。小さすぎてフィジカル的に厳しいんじゃないかと思って見ていたのだが、彼のプレーは誰よりもエレガントだった。信じられないくらい球際が強くて早い。彼がボールを持つと明らかに空気が変わる。上手いとか下手とかを超越したなにかがあると思った。これは大袈裟じゃなく。

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全ての局面に関わろうとすることは愚かである

これは上手い選手、自信のある選手にありがちなことだけれど、どんな状態でもボールがほしがる。右サイド左サイド、守備、攻撃全てに関わろうとする。こういう無駄が一切ない。余計に走らない。余計に受けに行かない。きっと”今”よりも”もう少し先”を常にイメージしながらプレーしているんだろう。チャビ・シモンズ君もエスパニョールの8番の子もそう。常にゲームの流れの中心にいながら、ゲームに関与するポイントを理解している。

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圧倒的な表現力の差 

このツイートはバルサの同点ゴールの時にしたんだけれど、試合が進むにつれバルサが試合をクリエイトしはじめた。気が付いたらピッチ上での存在感がバルサ一色になっていった。結果はバルサの猛攻を凌いだ東京がPK戦バルサを破り、見事ジャイアントキリング。これは日本の少年サッカーのレベルが上がったということだと思う。しかし、ジャイアントキリングとは”番狂わせ”である。私は結果以上に圧倒的な差を感じた。それは5月に行われた東京国際ユースでも感じたことと同じことだった。

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日本と海外のトップクラブの一番の違いは”自分を表現する力”なんだと思った。日本のサッカーのレベルも確かに上がったし一人一人は巧い。でも決定的ななにかが足りない。ずば抜けた身体能力やテクニックは本当はそこまで差としてはないように感じた。サッカーにおいて一番大事なのは自分の内のどこかにある形のない気持ちや想いをサッカーで表現する術に長けていることなんじゃないかと思った

 まさにこの時感じたことを思い出した。そしてバルサのチャビやエスパニョールの8番は自分をすべて出すための表現力がものすごかった。ピッチで俺はこうありたいという強い気持ちが見るものを魅了するんだろう。もちろん表現 するためには自信に裏付けされたテクニックやコミュニケーションスキルがなきゃいけない。

他人と違う自分を誇れるということ

きっと日本と世界のトップとの違いはここにある。”他人と違うことを良しとしない日本”と”他人と違うことは誇らしい”という価値観の違いなんじゃないかと思う。

他人と違う自分を誇るという当たり前のことが当たり前になった時、日本のサッカーが、いや日本という国が変わるのかもしれない。

 

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サッカーの本質を追求する旅はつづく…