大人になってから学ぶサッカーの本質とは

日本にいながら外国人リーグでプレーする私の目から見るサッカーの本質とは… 元サッカー選手、元サッカーコーチ、中南米放浪サッカー経験者として好き勝手語らせて頂きやす

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『ボールを重視した』ゾーンディフェンスとは一体何か? 坂本健二さん講習会レポート

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2018年1月21日、ドイツ・ブンデスリーガのSVヴェルダーブレーメンの下部組織などで14年間指導し、DFBエリートユースライセンスも所持する坂本健二氏による、指導者講習会に参加してきました。

今回はそのレポートを書きたいと思います。

前半の実技には間に合わず、後半の座学だけの参加でしたがとても学び多き時間となりました。

マンツーマンとゾーンディフェンスの違い 

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講習会の一部をピックアップし、私の印象に残っている部分をまとめました。

サッカー指導者はもちろん、現役の選手にとってもとても有意義な内容になるかと思います。

ぜひ、最後まで読んでください。

 

まずはマンツーマンディフェンスとは何かを坂本さんが話してくれました。

マンツーマンディフェンスの長所

  • 守備の役割分担が明確である
  • マークする相手選手1人の特徴に合わせれば良い
  • 相手のゲームメーカーやうまいドリブラーに、仕事をさせないようにすることができる
  • 相手がタイトなマンツーマンマークを外すためには、運動量をあげなくてはならない
  • 特に相手が技術的にうまくない場合、簡単にボールを奪える
  • フェアな1対1は、観ているものを魅了する
  • デリケートな相手選手は、タイトなマンツーマンマークをすると、すぐに諦めてしまう

対して、

ゾーンディフェンスの長所

  • 移動距離を節約できる
  • 相手チームの様々な戦術行動を、わずかな移動距離で防げる
  • ボールを奪った時に、選手たちがそれぞれ分散していてフリーなため、攻撃の組み立てに好都合である
  • 1人が抜かれても、別の選手がカバーできる

 

マンツーマン、ゾーンディフェンスの特徴をこのように整理すると、違いがとてもわかりやすいですね。私はここまで言語化して説明を受けたことはこれまでのサッカー人生でありませんでした。

これは多くの指導者も同様だと思います。

つまり、選手に適切にディフェンスの概念を伝えることができていないのが日本の現状なのです。

次にゾーンディフェンスの短所とはなんなのかの説明です。

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ゾーンディフェンスの短所

  • ドリブルが上手い相手に対しては、ゾーンのつなぎ目が特に弱い
  • ディフェンスのゾーンは単に設定されたもので、役割分担が曖昧になりがちである
  • 常に、様々な相手選手に順応しなければならない
  • オフェンスが良いコンビネーションをすると、全体を見通すことができなくなりやすい
  • 常に注意を払い、プレー状況全体を見渡していなくてはならないことが、多くの選手にとって重荷となる

レベルが上がるにつれて、マンツーマンで戦うことは少なくなります。

私自身、大学時代に現名古屋グランパス監督の風間さんにゾーンディフェンスを学び、そこからサッカーの奥深さにハマっていきました。

ゾーンディフェンスはよりインテリジェンスが求められ、高度なコミュニケーションが必要になります。

ゾーンディフェンスを実践するには、長所と短所をしっかりと理解しなければいけないということが坂本さんのお話を聞いてよくわかりました。

 

次に坂本さんの提唱する「ボールを重視した」ゾーンディフェンスとは一体何かに迫ります。

『ボールを重視した』ゾーンディフェンスの特徴

  • マンツーマンマークではない
  • ゾーンを分けて、担当しているわけではない
  • ボールサイドに寄って、人数をかけてボール奪取を図っている
  • 守備を受動的に行なっていない(能動的に行なっている)
  • 常に積極的な判断を求められる
  • 状況を判断しなければならない。その判断はグループ、あるいはチームで同一でなければならない

大事なポイントを坂本さんが補足してくれましたので、一部ご紹介します。

これが今回の講習のテーマの肝です。

ボールを奪いに行く感覚になることで、守備も攻撃的なマインドになる。つまり選手の気持ちがノる。能動的にアクションが起こせるようになる。

ゾーンディフェンスは責任が曖昧になりやすい。

だからこそ、どのようにチームとして連動して運用するかを明確にすることで、責任を負い、能動的に動けるようになる 

「ディレイ」や「縦カット」などという言葉はドイツには存在しない

ディフェンスとはゴールを守るのではなく、ボールを主体的に奪いに行くもの

坂本さんが提唱する『ボールを重視した』ゾーンディフェンスは、いまの日本サッカーに一番欠落している部分だと感じています。

それは南米のチームでプレーすると体感することができます。

私自身、その環境でプレーすると「守る」という概念が彼らにはないのかというほどボールを野生的に奪いに行くのです。

いつも対戦する日本人のチームは反則を要求し、「こんなのサッカーではない」いう言葉と共に戦意喪失していきます。

もっとボールを主体的に奪いにいく姿勢をデフォルトにしなければならないと感じています。

 

本能を呼び起こす

最後に坂本さんと少しお話しさせていただく機会がありました。

その中で、ドイツ人は本能でプレーできるけれど、日本人はそこが弱いから難しい。ということを仰っていたのが強く印象に残っています。

個人戦術や、ゾーンディフェンスを伝える上で大切なことは、目の前の相手に本気で勝ちたいという本能を目覚めさせることなのかもしれません。日本人は相対的にその本能の部分が弱いよなぁ。

 

※今回、坂本さんが講義で使用された資料は下記書籍を元に編集されています。

 

お知らせ

現在発売中の『サッカークリニック・1月号、12月号』にて、坂本氏による守備の実践の記事、そしてインタビューによる「守備の考え」が掲載されていますのでこちらも是非読んでみてください。

 

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…