大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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【天皇杯決勝】鹿島アントラーズ 対 川崎フロンターレ 〜風間フロンターレ美しく散る〜

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2017年1月1日、元旦に行なわれた天皇杯決勝。

先日のクラブWカップでレアル・マドリーを追い込んだJリーグ覇者、鹿島アントラーズに挑むのは、美しいパスサッカーで勝ち上がってきた風間フロンターレ

レアルをあと一歩のところまで追い詰めた鹿島が貫禄勝ちするのか。

それとも、この試合で最後になる風間フロンターレが有終の美を飾るのか… 

勝負の行方はいかに…

 

天皇杯決勝キックオフ

鹿島のプレスをテクニックでいなす風間フロンターレ

最終ラインからボランチの位置にいる中村憲剛大島僚太が絶妙のタイミングで顔を出しボールを触ることで鹿島のプレスがいなされる。

チーム全体が連動して受け手になることで選択肢が常に用意されている風間フロンターレのサッカーは鹿島を苦しめる。

前線の大久保嘉人小林悠が絡むんでチャンスを生み出していく。

 

鹿島の一発の脅威

それでも鹿島は一発がある。

手数をかけずにシンプルに速い攻撃で決定機を演出する。

単発な攻撃でチャンスをつくり、セットプレーからゴールを決めた鹿島が先制する。

強いチームは少ないチャンスをモノにする。

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風間フロンターレ劇場

1点を追う展開の風間フロンターレ

焦ることなく、しっかりとボールを回しながらゴールへと迫る。

鹿島の小笠原と永木も必死にディフェンスをするもなかなか奪いどころが見いだせずフラストレーションが溜まっている。

風間フロンターレの肝は相手が近いボランチにあえてボールを入れて相手の出方を探る“捨てパス”だ。相手がプレスをかけてきたら出し手に戻す。相手が来なければ、前を向いてプレーする。これをやることによって鹿島は的を絞り切れなくなる。

鹿島はこんな状態になっていたはずだ。

パスするのか、ドリブルするのか… プレーが読めない。

常にパスコースがある気がする… 容易に飛び込めない。

鹿島のブロックが定まらないため、何度もバイタルエリアに侵入されてしまう。

「鹿島は川崎にボールを持たせていた。川崎は持たされていただけ。」などという声があったけれど、サッカーを理解していないということになる。

バイタルエリアでプレーされてゴールが決まらなかったのは半分は“運”だ。

後半に入った三好が風間フロンターレの攻撃にリズムをもたらす。

ドリブルで仕掛け、切込み、鹿島の脅威となる。

後半9分、ついに同点ゴールが生まれる。

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美しいパスサッカーでゲームを支配するもゴールが決まらない

後半は風間フロンターレが主導権を握る展開。

相変わらずボールを小気味よく回しながら鹿島ゴールへ迫る。

しかし、あと一歩のところでゴールが決まらない。

鹿島は苦しい時間をよく耐えた。ディフェンスで走らされる時間が多く何度もバイタルエリアで決定機をつくられるも、必死に守った。

鹿島に一瞬流れが向きかけるも、集中を切らさない風間フロンターレ

エウシーニョが右サイドで存在感を放った。

抜群のインターセプト、粘り強いデュエル、タイミング抜群のドリブル突破。

彼のプレーで鹿島に向きかけた流れを戻した。

が、ゴールには至らずに後半終了。

延長で力尽きる風間フロンターレ 王者の貫禄をみせた鹿島アントラーズ

延長は鹿島が王者の貫禄を見せつけた。

途中出場のファブリシオが見せ場をつくる。

ゴール前で決定機を演出し、コーナーを獲得。

そのコーナーからクロスバーに当てるヘディング。

一度はクリアされるも再度ゴール前へ。

ゴール前のこぼれ球をファブリシオが押し込んで勝ち越しゴール。

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風間フロンターレ美しく散る

試合はそのまま鹿島が守りきった。

王者の貫禄をみせた鹿島アントラーズが見事に優勝。

しかし、風間フロンターレは素晴らしい試合を見せてくれた。

風間さんが5年間でつくりあげたチームは優勝こそ逃したが素晴らしかった。

風間フロンターレはサッカーの面白さを、サッカーの魅力をこれでもかと披露してくれた。

美しいパスサッカーと呼ばれたが、そこには駆け引きがあり、本物のテクニックがあり、遊心があった。まさにサッカーの本質が詰まっていた。

ボールを最後までコントロールしてゴールまで運ぶことに妥協しなかった風間フロンターレには日本サッカーの未来がある。

素晴らしい試合を新年早々見せてくれた鹿島アントラーズと風間フロンターレに感謝したい。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…