先日、友人から子育ての悩みを相談をされました。
子どもの忘れ物が多い、話を聞かないなどのよくある話。
そこで「私だったら先回りしないで、失敗させてみるよ」と言うと、友人がポツリ。
「うーん、結局は、きっと、私が『ダメな母親』って思われたくないんだよね・・」
ハッとしました。
それまで、なぜ子どもに失敗させるのをそんなに嫌がるのかがとても不思議でしたが、その言葉で腑に落ちました。
子どもが忘れ物をしたり、なにか失敗をしたとき、社会が、学校が、それを「お母さんの失敗」とすることがあります。
「育て方が悪い」「親がいい加減だから」
そんな風に言われたくないから、子どもに失敗をさせたくない。
大人が先回りする理由の一つに、そんな思いがあるなら…
変わらないといけないのは、お母さんだけではないのかもしれない。
家庭で、学校で、スポーツ現場で。
子どもの失敗・ミスを、「育て方が悪いからだ」「先生の教え方が悪いんだ」「指導者がダメだからだ」と関わる大人のせいにしなくなったら。
「失敗させよう。子どもに失敗させるのが大人の仕事だよ。」
「大切なのは、子どもが『今すぐにできるようになること』じゃないよ。」
「子どもに失敗させることができる大人は素晴らしいね。」
そんなふうに、あたたかく見守れる大人が増えていったら。
子どもたちが育つ環境はもっと優しくなるような気がします。
今日ご紹介する本は、喜多川泰さんの小説「おいべっさんと不思議な母子」です。
これは、「~してはいけない」であふれる日本の学校を舞台とし、指導に悩む先生と生徒、そこに現れた不思議な親子の物語。
この物語のテーマは、「失敗」と「学び」です。
大人がどんな姿でいればいいのか。
そんなヒントにあふれていますので、小説は苦手…という方もぜひ一度手に取ってみてください。
不安は習慣になって、そのうち、お母さんは子どもの『できないこと探し』の名人になるの。ほかの子はできてるけど、自分の子はできないことを探す名人ね。それを見つけては、なくそうと努力するの。何度も言うけど、人より優秀にしたいからじゃないわ。不安だからよ。
子どもができるようになったことよりも、できないことばかりに目が行くようになると、子どもはその期待に応えようとして、どんどん、失敗できなくなっていくわ
学校を子どもたちが色んな失敗をできる場所にしてあげよう。つまづいたら立ち上がる勇気を応援してあげよう。それが先生の役割だ。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。
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