大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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子供にサッカーを教える前に読んでおくべき5冊

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少年サッカー大会に足を運ぶと、必ずといっていいほど怒号、罵声を耳にします。

子供たちへの愛なのか、ただ指導者としての威厳を示したいだけなのか…

真意はわからないけれど、いずれにせよそのアプローチには疑問を感じざるを得ません。

どうやったら子供たちにサッカーを正しく教えることができるのだろうか?

どうしたらサッカーを指導する大人が正しく子供たちにアプローチできるようになるのだろうか?

そんな想いで、たくさんの指導に関する本を読んできました。

今回はその中で厳選した5冊をご紹介したいと思います。

子どもにサッカーを教える前にぜひ読んでいただきたいと思います。

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①子供にサッカーを教えることの本質が描かれた一冊

「なんでシュートしないんだ!」では子供は育たない

宮澤 ミシェル 宝島社 2014-10-11
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「サッカーは遊びの中で上手くなる」この本質を理解することからサッカーの指導はスタートするのです。

わたしたちは、自分で考えて、自分で行動できる子供を育てなければなりません。わたしもそうでしたが、昔の子供は自分で勝手に考えて行動していました。

それがたとえ間違いだとしても、自分でやりたいことをやっていました。だからといって「昭和の子供は偉かった」と言うつもりはありません。昔は勝手に遊ぶ場所、時間がいくらでもあったのです。とても大らかな時代でした。

残念ながら、いまは違います。

都市部では、子供だけでサッカーをする、野球をするという光景はほとんど見られられなくなりました。大人がいる環境で子供が遊ぶ。

こうなると自然と大人が指示を出すようになり、子供は指示を守ろうとするようになります。これでは精神が受け身になってしまって、自分で戦術やシステムを編みだそうとする姿勢は生まれません。

だからといって、いますぐ大らかだった時代に戻そうとするのも無理な話。となると大人があまり口を出さず、見守るということが大事になってくると思います。

指導者は自分が学んだことを試したくなるものですが、そうした気持ちをグッとこらえて見守ることが大事なのです。

子供たちが自分で遊びを考える、その中でルールを創り出していく。見守ることで成長を促してほしいのです。

子供をサッカーで成長させるために一番有効なのは「教えないこと」

 

②指導者の失敗談が赤裸々に描かれた本

それでも「美談」になる高校サッカーの非常識

加部究 カンゼン 2013-11-23
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 サッカーの指導者は子どもを育むこともできるし、壊すこともできる。サッカーの本質を理解し、伝えていかねばなりません。

あるとき皆川は、試合に負けた選手たちに、罰走としてダッシュ50本を命じる。だが中田は「走る理由が分からない。オレたちだけが走らなければならないのは納得できない。皆川さんも一緒に走ってくれたらオレも走る」と反論したという。《私が、ふざけたことを言うなと殴りつけていたら、果たして中田英寿という個性は、世界に羽ばたくことができたでしょうか。そう思うと、私は時々ぞっとすることがあるのです。》やがて皆川は、ドイツへ渡り、指導者としての研鑽を積み、帰国後にジュニアユース以下のクラブチームを立ち上げるのだった。

少年だった中田英寿の言葉が人生の転機になったコーチの話 

 

 

③育成年代のサッカークラブが果たすべき役割がよくわかる一冊 

「育成強国」ドイツが提案する ジュニアサッカー指導の手順と練習法

パウル・ショーマン,ゲルト・ボーデ,ノルベルト・フィート 東邦出版 2018-05-01
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今日の子供たちは遊ぶ機会や体を動かす機会が減っている。

ストリートでボールを蹴る機会がなくなり、地域のスポーツクラブでサッカーをするようになった。

こんなにも多くのサッカーに魅了された少年少女が、クラブでサッカーをすることはこれまでになかった。

そして今日、多くの子供たちにとっては自分の部屋が遊び場となっている。活発に体を動かすことに代わり、家の中に留まっているのだ。

クラブでのサッカーは、子供たちが本当に必要としていることを満たすべきで、現代の生活環境を考慮した取り組みが必要とされている。

日本サッカーを育むための必読本 〜「育成強国」ドイツが提案するジュニアサッカー指導の手順と練習法〜

 

④子供たちとの主体性をいかに育むか、ドイツでの体験を元に描かれた良書

ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド

中野吉之伴 ナツメ社 2017-11-13
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ドイツの育成年代で指導をする中野吉之伴さんの本。

サッカーの本質、子供たちの本質を踏まえて描かれた一冊。

成長段階にある子供にとって、負ける事は大きな問題ではありません。負けたことから何を学び、それを次にどう活かしていくかが大事なのです。

だからといって、指導者や保護者だけが「次は勝つぞ!」と熱くなるのも問題です。例えば、試合に負けても全然悔しそうにしない子がいると、「悔しくないのか!」と怒ってしまう大人は少なくないと思います。

試合に負けても全く悔しくないのは、そもそも本気でその試合に向き合っていないからでしょう。もしかしたら、まだそこまでサッカーにのめり込んでいないのかもしれません。

そんな子が負けて悔しがらないからといって、「なんで悔しくないんだ!」と怒るのは筋違いですし、「もっとサッカーを好きになれ!」などと強制するのはもっと意味がありません。

どうすれば子供が、もっと情熱を注いでサッカーと向き合おうとするのか。それはサッカーの魅力を真正面からずっと伝え続けていくことだと思います。 

 

 

 ⑤全サッカーコーチ必読の書

セルジオ越後の「子育つ論」 PHP文庫

セルジオ越後 PHP研究所 2004-05-06
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 セルジオ越後氏なくして日本サッカーの発展はなかっただろう。

それほどまでに影響力が大きく、サッカーの本質を日本に伝えた人だ。

サッカー指導者だけでなく子どもを持つ親御さんにも全力でおすすめしたい一冊。

私がサッカー教室で指導するとき、必ずしも全員をサッカー好きの優秀な選手に育て上げようとは思いません。教えるのは、聞きにくる子どもだけでいいと思っています。

 聞こうとしない子に、「なんでそっちを見てるんだ」と怒ったり、「前を向いて、行儀よくしていなさい」などと強制する必要はないと思います。

 子どもは、いったん興味を持ったら、もうしつこいことこの上ない。そうなれば、多少きつく教えたり、ときにはしごいても、全部プラスになる。

だから、聞きにきた子には「教える」、聞きにこない子とは「遊ぶ」。

これを原則にしています。釣りと同じで、針にかかるまで、興味を持つまで大人が待ってあげることが、小学生の段階ではいちばん大切だと思います。

もちろん、高校生に同じ接し方はできません。年齢によって、学生によって、教育の方法は変えて当然です。いやなことも我慢してやり遂げる。

こういうタフさを教え込んだり、覚えさせるのは、後のことです。また、自然に身につくものです。「今日は楽しかった」とか「明日またやろう」と、そういうムードで終われるかどうかを、私は私自身の採点基準にしています。 

サッカーの伝え方 〜セルジオ越後編〜

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

keikun028.hatenadiary.jp