大人になってから学ぶサッカーの本質とは

日本にいながら外国人リーグでプレーする私の目から見るサッカーの本質とは… 元サッカー選手、元サッカーコーチ、中南米放浪サッカー経験者として好き勝手語らせて頂きやす

秘境のフットボーラーたち 〜八ヶ岳グランデ・メセタ代表 田畑さんが語る「心を動かす表現者を育むこと」〜

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失っているものの大切さに気づくとき

八ヶ岳・川上村にある秘境のフットボールクラブへ行ってきました。

 

大都会で生きていると、多くのデジタル情報を得られる代わりに、失ってしまうものもたくさんあります。

私たち人間は、弱い生き物です。

常に周りの人の影響を受け、環境の影響を受けます。

圧倒的に早く流れる都会の時間、いつも忙しく、いつも早歩きで、仕事でも早く考え、早く処理することを求められます。早く、早くといつも急かされて生きています。

 

膨大な情報をインプットして、適切なアウトプットをしないと、明日のミーティングも明後日の商談も乗り越えることができない。

都会に生きる現代人の多くはこんな感じだと思います。

 

いつの間にか呼吸の仕方すら忘れてしまった人間がたくさんいます。

自分自身を失ってしまった人間がたくさんいます。

次々と心を壊していく仲間を何人も見てきました。

 

都会で生きているとコントロールを失いそうになることがたくさんあります。

子どもたちも同様です。

いくつもの習い事であまりにも忙しく、学校以外の人間関係でも疲弊している子どもはたくさんいます。

こんなせわしない都会で育まれる子どもたちのストレスは大人の想像以上に凄まじいのではないかと思います。

 

知らず知らずに失っているものの大きさに気づくのは、大自然のど真ん中にある秘境の地に足を踏み入れた時だったりします。

 

田畑さんに連れて行ってもらったこの秘境のフットボールクラブは、現代に生きる私たちが大切にしなければならないことを思い出させてくれました。

 

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自然体で生きること、"自分なり"に表現すること

大自然の中に生きる子どもたちは、やっぱり自然体で、自己紹介の必要すらなく、戯れてきます。

一緒にボールで遊ぼうとせがんでくる子もいれば、恥ずかしがって近寄ってこない子もいます。でも、声を掛けると一緒に和に入ってきます。サッカーを教えるでもなく、指導するでもなく、ボールで遊び、対話することができる。そんな子どもたちはボール扱いが上手い子、下手な子、男の子、女の子、太っちょの子、やせっちょな子、色んな子がいました。

 

都会のクラブに行けば、もっと画一的な画になります。

カテゴライズされてしまうからです。

上手い子しか入れない、下手な子は入りにくい、セレクションされる、カテゴライズされるなどで多様性の薄いチームが多いものです。

 

この川上村の子どもたちは、多様性に溢れていました。

そして、みんなが"自分なり"を一生懸命表現しようとしていました。

 

なぜ、こうなるのだろうか?

 

田畑さんに訪ねてみました。

 

「この子たちは大自然の中で育まれているんです。ここで育まれる子どもは自然と向き合い、自分の心と身体と向き合ってボールを蹴れるんです。邪魔する人もいなければ、情報もないというのは大事なことかもしれません。」

 

この秘境のフットボーラーたちは田畑さんが大事に育んできたグランデ・メセタというクラブの子どもたちです。

 

これまでに何度も、田畑さんの話を聞きながら、田畑さんが見ている景色を見ようとしてきましたが、実際にこの秘境のフットボーラーたちと触れ合うことで、田畑さんの本質を知ることができたように思います。

 

言葉で、素晴らしいことを言うことは誰にでもできるんです。

しかし、言葉の本質はその人を知らなければわかりません。

 

田畑さんはこう続けました。

大切なのは子どもたちの心です。サッカーは人の心を動かします。サッカーが上手い子どもを育てるというよりも、人の心を動かせる人間になってほしいと思います。それができるということはつまりサッカーが上手いことだと思います。

 

近年では、ブランディングやマーケティングにより表面的に素晴らしく見えるクラブは増えましたが、本当に魅力溢れるクラブは減りました。

優れたビジネスモデルやフレームワークが生まれ、よりロジカルに論理的にサッカーが語られることが増えました、しかし、ロジカルで論理的なサッカーは人の心を動かしません。

人の心を動かすのはいつだって、表現者の心です。

 

時代が流れても本質は変わらないものです。

その本質を忘れてはいけないんだと、この秘境で改めて感じることができました。

人の心を動かす表現者を育むこと、それをフットボールを通じてできたら最高だ。

 

〜編集後記〜

2019年、5月に八ヶ岳グランデフットボールクラブ代表の田畑さんに「DENにシンボルとなる壁を作るんだけど、誰か良いアーティストいない?」という話を聞いて、真っ先に紹介したのがピテカントロプスの福田さんでした。

 

そして同年9月、田畑さんから「福田さんがDENの壁に絵を描きに来るから来ませんか?あと今井さんに見せたいものがあるのでぜひいらして下さい。」と、いうことで行ってきた八ヶ岳。

 

3人のフットボーラーを伴って、

 

DENに集まったのは、日本人初のブラジル女子プロサッカー選手、藤尾きらら選手と、明八中学サッカー部で指導する小俣さんと、小俣さんが呼んでくれたシャペウの大野さん。

 

最高の仲間たちと一緒にボールを蹴ることが出来た2019年の最高の思い出になりました。
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リハビリ中のきらら選手もボールを蹴らずにはいられない。最後は子どもたちからのサイン攻めでした。

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サッカーを好きにさせる天才OMAさんは一瞬で子どもたちのハートを鷲掴み。

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夜はみんなで朝方までフットボールトーク。

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初めましてだったシャペウの大野さんもサッカーの本質を捉えた素敵な方で、本当に話が尽きなかった。


着いたら作業中だった福田さん。5年ぶりくらいの嬉しすぎる再会でした。
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完成の図がこちら👇

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ピテカントロプスになる日 | フットボール症候群発令!!

子供達の毎日の笑顔が見たくてサッカーコーチをスタートした20代だった僕ですが、いつのまにか選手も増えて、チームも強くなってきて・・・

真剣な顔をしていないとサッカーをしてはいけないような雰囲気になっていた気がします。

日が昇って、狩りをして、身体が疲れて、日が暮れてのピテカントロプスの生活から時間に追われ、膨大なメールやライン、不要な噂話、で心が疲れて日付けが変わっての現代人の生活。グランデはやっぱりピテカントロプスのチームにしたいです。生きた化石のチームがあってもよいかなと思います。

もちろん両方大切なんです。それでも原点は選手もコーチもサッカーが楽しくなければ始まりません。だからこそ、頑張れる。真剣な眼差しになれる。選手とコーチの間に永遠の絆が生まれるのです。

 
サッカーの本質を追求する旅はつづく…