Photo by KENJI ONOSE
サッカーに携わる人の中でも、特にサッカー好きな子供を持つ親御さんにおすすめしたい一冊をご紹介させていただきたいと思います。
日本代表選手たちがどのような環境で、どのように育ってきたのかを知ることができる。選手たちの少年時代の貴重なエピソードがたくさん書かれています。
その本の一部を引用してご紹介させていただきます。
日本代表選手たちはどのように育まれたのか
さまざまな挫折を乗り越えてきたプロセスには物語がある。
そのとき選手は何に悩んだのか?
そして周囲はどのように接し、どのような言葉をかけたのか?
幼少期を知る方々や親御さんの話を聞くたびにわれわれは膝を打った。なるほどと思った。そして感動した。そこには現場でしか聞くことのできない深い英知が隠されていた。洞察力に満ちたサポートや、どんなときにもぶれない教育方針があった。
トップアスリートの生育環境を探ることにより、何か共通する法則や才能を伸ばす知恵のようなものが浮き彫りになってくるかもしれない
香川真司の原点は公園サッカー
「家の近くに公園があったので、そこでずっとサッカーをしていました。ボールリフティングをしたり、みんなでゲームをしたり。ストリートサッカーが僕のサッカーの原点で、それがあったから、いまがあると思っています」と語っている。とにかく時間があれば、ボールと戯れるような子どもだった。
サッカー文化を育んだ公園サッカーとストリートサッカー
近年、多くの公園でサッカーが禁止になっています。
近隣の住民に迷惑がかかるからという理由なのだけれど、これは不寛容社会の象徴のように感じます。香川真司は公園サッカーやストリートサッカーが原点だという。
そんなサッカー選手の原点を生み出す環境が規制されてしまっている状況に危機感を感じます。
日本よりずっと貧しい南米でストリートや公園でのサッカーが許容されて、ずっと裕福な日本という国で許容されない。これが残念でなりません。
サッカーをやる場所がサッカースクールしかないという状況もよろしくないと思います。
丁寧にあれこれと教えないと成り立たないような場所で、自由な発想が育まれることは難しいように思うのです。
サッカー文化を育むのが難しい環境
サッカー文化を育むためにはもっと寛容にならなければならないと感じます。
あれもこれも危険だから禁止、迷惑がかかるから禁止、それを徹底してしまうから文化が育みにくいような気がしています。
サッカー文化が公園やストリートで生まれるように、その他様々なアート領域の文化も同様です。
現在の日本は文化を育みにくい環境なのだと思います。
文化は勝手に育まれていくものです。
ある程度の自由が担保され、それを表現する場所が担保されていないとそれはこんなんです。
今の日本は表現をする場所自体のコストが高すぎるのです。
スクールに入らなくても、いつでもどこでも表現できる場所を作ること。
そして、自由に発想し表現することの喜びを伝えていかなければならないと思います。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…