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洗練された異国のサッカー文化 〜コパ・プーマ・トレーロス2017大会レポート②〜

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コパ・プーマ・トレーロス2017大会レポート①はこちら↓

keikun028.hatenadiary.jp

 

事実上の決勝と言っても過言ではない2チームが準決勝で相見えることになった。

スペインの強豪アトレティコ・マドリードはとても12歳以下とは思えないほど洗練されたプレーをする。ブラジルの名門パルメイラスは柔らかさと激しさを持ち合わせ、捉えどころのないプレーを魅せる。とても興味深い一戦だった。 

 

〈準々決勝〉パルメイラスU12 対 アトレティコ・マドリードU-12  

パルメイラス 試合前のウォーミングアップの様子

 

アトレティコマドリーとの準決勝前のアップの様子。ホントに魅力溢れるチームでした。1番学びが多かった。#コパトレーロスカップ #palmeiras #パルメイラス

 

対するアトレティコ・マドリードのウォーミングアップ

パルメイラスとの準決勝直前のアトレティコマドリーのアップの様子。#コパプーマトレーロス

 

パルメイラスの柔らかさ、アトレティコ・マドリードの規律と勝利への貪欲な姿勢

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試合が始まった。序盤はアトレティコ・マドリードがコレクティブでしっかりと組織されたプレーで主導権を握る。パルメイラスは前線で起点をつくれず、10番ファビオ君もタイトにマークされ、ゴールに近づくことができずジリ貧な時間帯がつづく。

パルメイラスはディフェンス3人でビルドアップを試みるのだけれど、アトレティコはその3人に対してもコースを消しながら果敢にプレスをかける。それでもアトレティコはディフェンスラインに人数を増やしてリスクヘッジするようなことはせず、前線で辛抱強くコースをつくる。ボールを失ったらすぐ失点につながる場所、ひとつのミスが命取りになるディフェンスラインでチャレンジする選手たち。コーチたちも当然のように見守っているようにみえた。選手たちのプレーだけでなくこのような大人の寛容さ、柔らかさはとても好感を持てる。

しかし、中盤でインターセプトし、カウンターからアトレティコが先制する。

パルメイラスは中盤でのプレス回避の意味合いもあるのだろう、身体の強いFWの選手に強引にボールを入れるシーンが増えた。それが功を奏し、少しづつアトレティコゴールへ迫る。

ところがアトレティコパルメイラスの一瞬の隙を突く。

DFのクリアミスを拾って、きっちりと追加点を決めた。

 

アトレティコ・マドリードのハーフタイムの様子

Atletico Madrid U-12 contra parmeiras U-12 descanso del semifinal.アトレティはチームとしての一体感が素晴らしかった。そして、コーチ達がものすごく熱い!パッショナブル。試合中は放送禁止用語の連続でしたw#copa puma toreros 2017 primavera#コパトレーロスカップ #atleticodemadrid

 

パルメイラスのハーフタイムの様子

アトレティコ戦は撮れなかったので準々決勝のレジスタ戦ハーフタイムの映像

レジスタとの準々決勝のハーフタイムの様子。アトレティコマドリーよりだいぶ自由な空気。プレーも遊びがあって、それに対してコーチ達が寛容だった。ただし、勝利の為に必要であるプレーでなければ、立ち上がって吠えてた。#コパトレーロスカップ #パルメイラス #palmeiras

 

2−0で苦しい展開で試合も終盤に差し掛かってきたところでパルメイラスの10番ファビオ君が本領を発揮する。

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彼にボールが入るようになると何かが起こる。

プレスがかかった状態でもボールを受けて、ワンツーでスペースをつくりゴールへ向かう。そして目の前の相手に勝負する。中に切れ込んでいくのは分かりきっていることなのに…、そのタイミングと間合いがつかめないのだろう。アトレティコの百戦錬磨のディフェンス陣も彼に前を向かせると手がつけられないようだった。ことごとくシュートを撃たれ、それはキーパーの好セーブか、あるいはゴールポストに救われるというのが何度か続いた。会場は彼がボールを持つ度にどよめいた。

すごい選手だ。

試合終盤にパルメイラスが一矢報いるも時すでに遅し、試合終了の笛が鳴った。

1-2でアトレティコ・マドリードが決勝へ駒を進めた。

 

 

〈決勝〉アトレティコ・マドリードU-12 対 清水エスパルスU-12

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清水エスパルスがみせた可能性と世界との差

試合の序盤から積極果敢に前へ前へとプレスをかける清水エスパルスが先制ゴールを奪う。アトレティコ・マドリードは気負いすぎが失点に繋がった感があったのだけれど、すぐに切り替えて前線に起点をつくり清水のサイドを攻略し始める。

本領発揮するアトレティコ・マドリードはやはり個々の球際の強さ、巧さが際立つ。セカンドボールをものにする巧さ、強さが違う。清水も必死で食らいつく。ボール扱いの巧さじゃ決して負けていないのだが、局面でどうしても劣勢になってしまう。その要因はやはり球際にあるように感じた。

徐々に押し込むアトレティコが同点ゴールを奪う。

そして、ハーフタイムへ。

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後半、地力で上回るアトレティコ相手に清水がどこまで粘れるかが見どころになった。

いや、想像を超えて素晴らしい戦いをみせた清水エスパルス。局面でも食らいつき簡単にはチャンスをつくらせなかった。

しかし、やはり勝負強さというかハイレベルな試合の経験値の差が出たように思う。

アトレティコに追加点。とりわけ終盤のFWの選手のスピード、ゴールへの執着心が素晴らしかった。

試合は2−1でアトレティコ・マドリードが優勝。

 

今回の取材を通じて感じたことをまとめたい。

 

洗練された異国のサッカー文化

サッカーというものが生活の一部として溶け込んでいる環境がスペインやブラジルにはやはりあるのではなかろうか。

洗練された異国のサッカー文化を目の当たりにしたような気がする。子供から大人まで年齢性別問わずサッカーが自然と日常にあり、多くの人がサッカーに対して寛容で理解があるということが、あのような小さくして立派なサッカー選手を育んでいるような気がしました。これは勝手な想像だけれど。 日本もサッカーがもっと日常になれば良いなと思いました。

私たちがもっとサッカーの魅力を発信していかねば!

 

パルメイラスの10番のファビオ君のセンス、才能、魅力

 

彼のプレーはお金をとれる。それほどの逸材じゃないだろうか。

サッカーセンスとはこういうことをいう。まさにそんな選手でした。

彼に干渉しすぎないパルメイラスのコーチ陣を見ていて、愛だなと思いました。

誰も彼に教えることなどできない。ということでしょう。

 

アトレティコ・マドリードのコーチ達の情熱的な振る舞い、選手への愛情

トップチームにはディエゴ・シメオネという闘将がいるアトレティコ・マドリード

コーチたちは情熱的で感情的で非常にロジカルで、とにかく熱かった!

選手よりも気持ちが入っているんじゃないかと思うくらいで、試合に勝つ度に子どもたちとハグを交わし、一瞬一瞬を大事にコミュニケーションをとっている姿が印象的でした。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…