引きこもりからのアルゼンチンサッカー留学記 / 四方 浩文 | STORYS.JP
私はこの赤裸々に綴られたアルゼンチンサッカー留学記を読んで胸が熱くなった。
この人は大事なものを持って帰ってきた。そして本当に大切なものはなにかを知ることができたんだなと、この留学記を読んで感じました。
海外に挑戦したい!という熱い若者にたくさん読んでもらいたい。
私が好きな部分をピックアップしてご紹介させて頂きます。
千葉の名門、市立船橋で”サッカーを辞めさせられた話”
ある日の練習でいつも通り走ってドリブル競争を複数のチームに分かれて行った。僕のチームはビリになった。そして罰ゲームはピッチ往復を34秒以内。僕だけ入れなかった。
昼休みに他のクラスの部員達が僕のクラスの前の廊下に集まっているのが見えた。やってきて座っている僕を取り囲んで部活を辞めるように脅された。部活を辞める気は無いと告げるとまた廊下に集まっている。少し空いていた窓の隙間から皆がなにやら話し合っている。どうやって追い込もうかと。その輪の中に同じクラスで普通に接してくれていたサッカー部の子がいたのが見えた。
同じようなことが学校では起こっているはずだ。そして多くの少年少女がサッカーを辞めざるをえない状況に追い込まれているのではないだろうか、しかし、辞める必要なんてない。自分の気持ちを、情熱を表現する場所は必ずある。ということを伝えてくれる。続きを読んでみよう。
サッカーやりたくて市船に行って足を攣りながら走ってただけでサッカーやる前にこれから一緒に戦っていく仲間と思っていた子達に否定されて終わってしまった。あの朝、いつも通りサッカーの道具を持って登校していたら。今でもこの事は想像したりする。 毎日泣いた。授業中もふいにどうしようもなく悲しくなって涙が出てきた。家に帰って夜も寝れないほどに泣いた。泣き疲れていつの間にか寝ていて気付いたら朝という日々だった。理想と現実のギャップにはついていけなかった。 僕に起こった事はどんな部活にも程度の差はあれ、ある事だとは思う。この中からプロも生まれている。昔はもっと酷かったはずだ。
アルゼンチンへ行くきっかけは情熱
僕は部活は辞めたけどプロにはなりたかった。この気持ちだけはどんなに泣いても消えなかった。 その後、僕は小学校のグラウンドで活動していた街クラブに何とか入れた。選手権優勝校から街クラブ。僕も含めてみんな上手くない。監督、コーチが一番上手い。規模と環境。落差が激しい。 そんな時ふと思い出した。あの記事だ。アルゼンチンの選手育成クラブの事が書かれたあの記事。文の最後に「ご意見、ご感想なんでもどうぞ」と書いてあった。自分におきたこれまでの事。アルゼンチンへの思い。プロへの願望。これまで送ったサッカー雑誌への投稿と同じ事を書いた。約半年後、忘れた頃に僕宛にハガキが届いた。差出人はアルゼンチンの選手育成記事を書いたサッカージャーナリストの故冨樫洋一氏からだった。 冨樫氏からの返事が来て僕はもの凄く驚いた。テレビにも出ているような人から「まだ興味があったら連絡してください」という一文と連絡先をいただいた。
アルゼンチンという国が僕を変えてくれるのではなく僕が自ら変わらなければならない
アルゼンチン留学二ヶ月目、仲間との会話の中で感じたこと…
内気で人見知りで、社交性ゼロ。自分の意見が言えない。考えていないこともしばしば。一人間として問題だらけだ。事実、6,7人での集団生活が上手くいかない。それでどうやって11人でやるサッカーで良いプレーするんだ?1チーム25人いる選手達との競争に勝つんだ?僕は技術以前の問題を抱えていてそれに気づいていなかった、気づかず20年も生きていたんだ、という事に上手く自分の思いを伝えられずにいた事をきっかけに皆に指摘され気づかされた。この時間はいつの間にか僕のための話し合いの時間になっていた。色々大変でも前に向かって進む。自分の思いを伝えて周りを巻き込む。上手いか上手くないか以前にまずアルゼンチンに来て身内でも友達でもない人間との共同生活から学ぼうと、協力しようとする姿勢を見せてお互いに分かり合うところから始めないと何もならない。アルゼンチンという国が僕を変えてくれるのではなくて僕が自ら変わらなくてはいけない
行けば何とかなるんじゃなくて自分で何とかしなくてはならない。他の誰かは何もしてくれない。例えお金を払っても。
結局、自分を変えることができるのは自分しかいないのだ。ということ!本当に強い気持ちを持って諦めずに戦い続ければきっと変われる。
この素晴らしい体験記はまだまだ続きがあり、今紹介したのはほんの出だし部分。
つづきを読んでほしい。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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